新社会兵庫ナウ
水脈(2022年10月26日号)
2022/10/26
政府の「利便」のために国民の「安心」を犠牲にするのは許せない。政府は10月13日、唐突に現行の健康保険証を2024年秋にも廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替えると発表した。一方では運転免許証との一体化の前倒しも検討されているようだ▼いずれにしても、これらによっていままで任意とされてきたマイナンバーカードの取得が義務化されることになる。「利便性はいっそう高まる」と政府はいうのだが、これまでにいくら高ポイント付与が目の前にぶら下げられてもカードの取得が増えなかったのは、やはり不信の政府に何から何まですっかりコントロールされることへの不安がある。疑問の声が相次ぐのは当然のことだろう▼いわゆる「国民総背番号制」(1980年代のグリーンカード、2000年代に入っての住基ネットなど)に疑問を呈してきたわれわれは、今回のマイナンバー制度にも反対を主張してきた。私の場合は、区役所からの番号の通知は封も切らずにゴミ箱に直行、未だ番号は知らない▼制度スタートから7年になろうとしているが、マイナンバーは必要ではなかった。われわれの「安心」のためには今回の政府の暴挙も許してはならないのだ。