新社会兵庫ナウ

水脈(2022年10月12日号)

2022/10/12
 今年の夏の暑さには参ったが、ようやく秋風が吹くようになり食欲も回復してきた。我が家から車で10分も走れば、畦には彼岸花、稲穂は色づき穂を垂れる。ここには耕作放棄地も無く、癒しの田園風景がある▼我が家にも新米が届き、ついつい食べ過ぎる。物価の値上げが相次ぎ、商品のサイズも小さくなっている。育ち盛りの子どもがいる家庭は大変だ。「親の家のご飯は美味しい」と言われ、帰りには食材を持たせる話はよくあることだ▼都会の家庭では食料自給率はほとんどゼロ。昨年の日本の食料自給率は38%しかなく不安な状況が続く。ロシアのウクライナ侵攻で港が使えず小麦の積み出しが止まり、アフリカなどの食料問題が深刻になった。日本の蕎麦の自給率は20%ほどでウクライナからの輸入が多い。戦争は泥沼化し、あの広い穀倉地帯はこの先どうなっていくのか▼今、IUU(違法・無報告・無規制)漁業で行われる漁業が世界的な問題になっている。船上での「人権侵害」「奴隷労働」漁獲に対し、EU諸国・米国では輸入規制をしているそうだ。日本のシーフードはどうなるのか。食卓の向こうで何が起きているのか。「食欲の秋」と呑気なことを言ってる場合ではないようだ。