新社会兵庫ナウ

地域ユニオンあちこちあれこれ(あしや)399

相談のパート労働者と学習会を継続

2022/10/12
 昨年夏、私が「NPO法人働く人の相談室」の当番のとき、サービス業の職場でパートで働く女性から電話相談があったことについては、1年前のこの欄で紹介したが、その後、どんな状況なのか、ということについて報告したい。
 結論から言えば、ちょうど昨年、無期転換への移行手続きの際に就業規則の大幅な改定がなされたので、毎月1回、当該組合員とユニオンの担当者でその学習会をしていくことを決め、現在まで継続している。
 問題が解決すれば相談者はユニオンを辞めていくケースが多いが、彼女の場合、自分がどのような労働環境で働いているのか、何か問題点や疑問点はないのかなど、就業規則を逐条ごとに読み合わせをしながら、併せて労働組合や労働法などについての認識を深めていくようにしている。最近では脱線して、家族の介護の問題点等についても話し合っている。
 正社員とパート労働者との差異について、随所で議論になっているが、例えば「年次有給休暇手当」の項ではそれが顕著に表れている。そのひとつが、正社員が年次有給休暇を取得した場合、その期間については所定労働時間労働したものとし取扱い、パート社員に対しては労働基準法第12条に定める平均賃金を年次有給休暇手当として支払う、という点などだ。
 最近、会社から、過去2年分の未払いの有給休暇取得時賃金の精算額の支払いの通知、及び未申告労働時間分の割増賃金の精算額の支払いの通知が本人に届いた。これらのことにユニオンはタッチしておらず、どんな理由があったのかは不明だが、昨今、社会的に大きく報道された某ファミリーレストランなどの賃金未払問題等が影響しているのではないかと思われる。
 パート労働者に対する差別はいろいろなところで見いだされるが、この学習会が終われば、問題点を整理して、労働基準監督署に持ち込もうと意思統一している(職場での状況等も考慮しながらだが)。
 大野克美(ユニオンあしや副委員長)