新社会兵庫ナウ

水脈(2022年9月28日号)

2022/09/28
 7月の参院選で岸田政権が手に入れた「黄金の3年」はどこかに行ってしまいそうだ。毎日新聞による最新の世論調査(9月17、18日実施)では内閣支持率が29%にまで大きく落ち込んだ。いわゆる「危険水域」の領域であり、政権にとっては衝撃的な数字だろう。他の世論調査でも同じように支持率は急降下し、支持と不支持が逆転している▼その原因は、何といっても、説明がつかない安倍元首相の国葬をめぐる暴走であり、旧統一教会問題へのあいまいな対応だ。国葬問題では「反対」が過半数を上回る。さらに国民生活直撃の物価高や円安に無策なことも国民のいら立ちを増幅させ、東京五輪をめぐるとてつもない汚職スキャンダルも政権への打撃となっていこう▼あまりにも国民を甘く見てはいないか。「国葬」で安倍政権時代の闇の部分を葬り去ることができ、ダダ洩れの自主的「点検」で、旧統一教会問題の幕引きもできると思ったのか。野党の脆弱さもあってか、すべてに傲慢さが目立つ。「防衛力の抜本的強化」にしても、原発推進政策にしてもだ▼だが、これらが民衆の思いとはかけ離れていることを思い知らせてやろう。窮地に陥った政権に止めを刺すのは、来春の統一自治体選挙である。