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地域ユニオンあちこち397
後期高齢者の医療費窓口負担増反対闘争から
2022/09/14
2008年に成立した後期高齢者医療保険制度で、この10月から所得に応じて医療機関で支払う窓口負担が1割から2割になる改悪が実施される。高齢者にとっては深刻な事態である。「財布の中に増えるのは診察券ばかり。かかりつけ医を巡れば1万円札が消えていく」のが昨今の暮らし。この上、窓口負担倍加ではたまったものではない。
昨年6月の国会で十分な審議もされずに「22年10月実施、具体的な実施は今後閣議で決める」と改悪が決められたが、私たちはここに改悪実施反対の闘いの余地を見出した。後期高齢者医療保険制度の担当が市町村から県に移管されたので県に対する闘いになる。
熟年者ユニオンにとっては未知の世界であったが、ひとつの手掛かりは、「西はりま熟年者の会」や「明日を考える東播高齢者の会」と、これまで交流してきた県下の高齢者運動組織の存在であった。もう一つは、労働組合の退職者会の世話をしている熟年者ユニオンの会員のつてで県の自治体退職者の会と、さらにそこから現役世代の自治労兵庫県本部からも力をいただけたことだった。ひょうごユニオンにもいち早く参加してもらい、この運動の推進団体として「高齢者医療改悪に反対する兵庫の会」を立ち上げた。会長には大槻信夫・自治体退職者の会会長に就いていただいた。
運動は、遠く但馬にも広がっていった。郵政ユニオンOB有志の会、国労退職者組合有志からも運動への参加と署名が寄せられた。武庫川ユニオンの繫がりで全港湾からも多くの署名が届いた。どのルートで渡ったのか定かではない署名用紙が1枚、2枚と送られてきたのも相当数あった。
こうして集められた請願署名数は7,827筆。大槻会長と山粼貢・熟年者ユニオン会長の手で県議会事務局に提出して受理され、県議会健康福祉常任委員会で議論された。だが、請願者の発言は認められず、当局からの一方的な態度表明に時間が割かれ、各会派の意見表明の時間もわずかだった。
壁は厚かったが、この闘いから得たものはある。共に闘う仲間は呼びかければいくらでもいることであり、丁寧に接すれば必ず応えてくれる。諦めずに呼びかけることの大切さを知ったことだ。
10月から改悪が実施されるが、今後の闘いはこの矛盾を暴露し、みんなで考えていくことによって後期高齢者医療保険制度を廃止に追い込んでいくことだ。
加納功(熟年者ユニオン事務局長)
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昨年6月の国会で十分な審議もされずに「22年10月実施、具体的な実施は今後閣議で決める」と改悪が決められたが、私たちはここに改悪実施反対の闘いの余地を見出した。後期高齢者医療保険制度の担当が市町村から県に移管されたので県に対する闘いになる。
熟年者ユニオンにとっては未知の世界であったが、ひとつの手掛かりは、「西はりま熟年者の会」や「明日を考える東播高齢者の会」と、これまで交流してきた県下の高齢者運動組織の存在であった。もう一つは、労働組合の退職者会の世話をしている熟年者ユニオンの会員のつてで県の自治体退職者の会と、さらにそこから現役世代の自治労兵庫県本部からも力をいただけたことだった。ひょうごユニオンにもいち早く参加してもらい、この運動の推進団体として「高齢者医療改悪に反対する兵庫の会」を立ち上げた。会長には大槻信夫・自治体退職者の会会長に就いていただいた。
運動は、遠く但馬にも広がっていった。郵政ユニオンOB有志の会、国労退職者組合有志からも運動への参加と署名が寄せられた。武庫川ユニオンの繫がりで全港湾からも多くの署名が届いた。どのルートで渡ったのか定かではない署名用紙が1枚、2枚と送られてきたのも相当数あった。
こうして集められた請願署名数は7,827筆。大槻会長と山粼貢・熟年者ユニオン会長の手で県議会事務局に提出して受理され、県議会健康福祉常任委員会で議論された。だが、請願者の発言は認められず、当局からの一方的な態度表明に時間が割かれ、各会派の意見表明の時間もわずかだった。
壁は厚かったが、この闘いから得たものはある。共に闘う仲間は呼びかければいくらでもいることであり、丁寧に接すれば必ず応えてくれる。諦めずに呼びかけることの大切さを知ったことだ。
10月から改悪が実施されるが、今後の闘いはこの矛盾を暴露し、みんなで考えていくことによって後期高齢者医療保険制度を廃止に追い込んでいくことだ。
加納功(熟年者ユニオン事務局長)