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坪井兵輔・阪南大学准教授が講演
 “神戸と戦争”の歴史に学ぶ
 市民アクション東灘が学習会

2020/02/15
 「安倍改憲NO!市民アクション東灘」が主催する学習会が2月15日、東灘区民センターで開かれた。「日常化する有事の現状〜神戸の陰影」をテーマに、坪井兵輔さん(阪南大学准教授)が講演し、34人が参加した。
 民放で様々なドキュメンタリーの作成に関わってきた坪井さんは、「観光都市の美しいイメージとは裏腹に、1868年の開港以来、神戸は台湾や朝鮮半島など近隣諸国への植民地支配の拡大とともに発展してきた。日清・日露戦争で財をなした船商人たちは競って邸宅や別荘を建て、栄華の跡は旧乾邸など東灘区内にも残っている。神戸は植民地への進出窓口として、国内外の軍事産業とも深く関わりながら戦争推進の役割を担ってきた」と、豊富な映像資料を示しながら、戦前からの歴史を解説した。
 特に神戸をはじめ阪神間には、多数の軍事関連の工場施設があったため、戦争末期の米軍による空襲は熾烈を極めた。戦後も、神戸と軍事産業との関わりは続き、三菱重工や川崎重工は日本で唯一、潜水艦の建造を続けており、哨戒艇(沿岸防衛)を製造している新明和(旧川西航空機)などとともに「武器輸出の最前線」となっている。掃海艇(機雷除去)の基地である海上自衛隊阪神基地が存在している。こうした日常のすぐ隣にある「有事」の現状などが報告された。
 空港や高度医療施設を有し、船舶の建造・修理や物資の補給など、兵站機能にも優れた神戸は、米軍にとって「使い勝手の良い」後方支援基地として狙われており、それだけに核積載艦船の入港を認めない「非核神戸方式」のいっそうの重要性を再確認する学習会となった。
(岡)
写真:坪井兵輔さんが「日常化する『有事』の現状」と題して神戸の陰影について講演した=2月15日、神戸市東灘区