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改憲の動きをウオッチング一覧
改憲の動きをウオッチング
(2022年7月13日号)
2022/07/13
■岸田首相・茂木幹事長 参院選後、早期に改憲発議・国民投票めざす
参院選の結果は原稿締め切りの関係で明らかでないが、岸田首相は、公示直前の動画配信サイトで、改憲について非常に踏み込んだ発言をした。岸田氏は改憲の時期について、「喫緊の課題であり、できるだけ時間をかけずに国民に選択していただく機会をつくる」と述べ、早期に国会で改正案を発議し、国民投票の実施を目指す考えを強調した(NHK)。
さらに、岸田発言の2日後に(6月20日)、自民党の茂木幹事長も、新聞各社のインタビューで「選挙後できるだけ早いタイミングで改憲原案を国会に提案し、発議を目指したい」と強調した(共同)。
「改憲4党」(自民、公明、維新の会、国民民主)が改憲発議に必要な3分の2以上の議席を獲得するようなことになれば、重大な局面を迎えることになる。
■「拡大抑止」とは 重要性確認 日米の事務レベル協議
5月の日米首脳会談で「軍拡を進める中国や北朝鮮への懸念を共有し、米国に『核を含むあらゆる種類の能力』を使って日本への『拡大抑止』を強化してもらう方針を確認した」(毎日)。「拡大抑止には核兵器による報復を含む場合と、通常戦力に限る場合の2通りあり、米国が日本に約束しているのは核兵器の使用を含む拡大抑止である」(同)。
日米会談では、「拡大抑止」について、両国間の協議を通じて強化していくことを確認していたが、外務・防衛当局の事務レベルによる協議が行われた。協議では、「拡大抑止」の重要性が改めて確認された。また、「一行は核ミサイルを搭載可能なアメリカの原子力潜水艦『メリーランド』を視察した」(NHK)。
日本には非核3原則があり、米国はこの原則によって在日米軍基地や日本に寄港する軍艦に核兵器は搭載していないとされている。したがって、「いざという時は太平洋に潜む原子力潜水艦などから報復攻撃をしてもらうことになりそうである」(毎日)。
■核兵器禁止条約会議 不参加は歴史的過ち
米統治時代に1300発の核が配備され誤射事故も起きた沖縄。「琉球新報」の社説を見よう。「ウィーンで開かれた核兵器禁止条約の第1回締約国会議が3日間の日程を終え閉幕した。オブザーバー参加を見送った日本政府の不在が際立った会議だった。広島、長崎の両市長や被爆者らが出席したのに、政府は参加を見送り、参加国から『唯一の戦争被爆国が参加したがらないとは驚くべきことだ』などと批判された。不参加は歴史的過ちだったと言うしかない」と手厳しい。
政府は「核保有国の関与がなければ軍縮は進まない」として「橋渡し役」を掲げる。しかし、これまで「橋渡し役」の成果はあったか。「米に追随しているだけだ」と断罪する。
社説は「核兵器禁止条約こそが『核廃絶』への道筋だ。歴史的な過ちを一刻も早く正すべきである」と結んでいる。(中)
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参院選の結果は原稿締め切りの関係で明らかでないが、岸田首相は、公示直前の動画配信サイトで、改憲について非常に踏み込んだ発言をした。岸田氏は改憲の時期について、「喫緊の課題であり、できるだけ時間をかけずに国民に選択していただく機会をつくる」と述べ、早期に国会で改正案を発議し、国民投票の実施を目指す考えを強調した(NHK)。
さらに、岸田発言の2日後に(6月20日)、自民党の茂木幹事長も、新聞各社のインタビューで「選挙後できるだけ早いタイミングで改憲原案を国会に提案し、発議を目指したい」と強調した(共同)。
「改憲4党」(自民、公明、維新の会、国民民主)が改憲発議に必要な3分の2以上の議席を獲得するようなことになれば、重大な局面を迎えることになる。
■「拡大抑止」とは 重要性確認 日米の事務レベル協議
5月の日米首脳会談で「軍拡を進める中国や北朝鮮への懸念を共有し、米国に『核を含むあらゆる種類の能力』を使って日本への『拡大抑止』を強化してもらう方針を確認した」(毎日)。「拡大抑止には核兵器による報復を含む場合と、通常戦力に限る場合の2通りあり、米国が日本に約束しているのは核兵器の使用を含む拡大抑止である」(同)。
日米会談では、「拡大抑止」について、両国間の協議を通じて強化していくことを確認していたが、外務・防衛当局の事務レベルによる協議が行われた。協議では、「拡大抑止」の重要性が改めて確認された。また、「一行は核ミサイルを搭載可能なアメリカの原子力潜水艦『メリーランド』を視察した」(NHK)。
日本には非核3原則があり、米国はこの原則によって在日米軍基地や日本に寄港する軍艦に核兵器は搭載していないとされている。したがって、「いざという時は太平洋に潜む原子力潜水艦などから報復攻撃をしてもらうことになりそうである」(毎日)。
■核兵器禁止条約会議 不参加は歴史的過ち
米統治時代に1300発の核が配備され誤射事故も起きた沖縄。「琉球新報」の社説を見よう。「ウィーンで開かれた核兵器禁止条約の第1回締約国会議が3日間の日程を終え閉幕した。オブザーバー参加を見送った日本政府の不在が際立った会議だった。広島、長崎の両市長や被爆者らが出席したのに、政府は参加を見送り、参加国から『唯一の戦争被爆国が参加したがらないとは驚くべきことだ』などと批判された。不参加は歴史的過ちだったと言うしかない」と手厳しい。
政府は「核保有国の関与がなければ軍縮は進まない」として「橋渡し役」を掲げる。しかし、これまで「橋渡し役」の成果はあったか。「米に追随しているだけだ」と断罪する。
社説は「核兵器禁止条約こそが『核廃絶』への道筋だ。歴史的な過ちを一刻も早く正すべきである」と結んでいる。(中)