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地域ユニオンあちこちあれこれ393
2022/07/13
36協定・労働者代表の選出めぐって
ある企業の労働者代表の選出をめぐり、神戸西監督署に、「すべての労働者に投票の権利がなかった」「会社が労働者代表を指名している」ことを理由に、36協定が無効であることを申告したところ、監督署の判断は、「労働者代表の選出に瑕疵(かし)はあったが、無効とまでは言えない」だった。
この問題について兵庫労働局に新たに申し入れ、確認すると、監督官は「会社が関与していることが明確であれば、是正勧告ができるが、労働者代表の選出は労働者側の問題であるため、会社を指導できない」「全員に聞かなかったとしても、実際に過半数になっているのだから、無効とは言えない」と回答した。言い換えれば、「協定は有効」ということになる。
厚労省のパンフレットには「過半数代表者の選出が適正に行われていない場合は『無効』」と記載されている。選出に瑕疵があったことが確認できたのであれば、やり直し以外にない。監督官に、「過半数あればいいのであれば、会社の息のかかった過半数にだけ意見を聞くことで労働者代表として認められるという公式回答でいいのか」と聞くと、「そうなりますね」との返事だった。呆れた。
36協定は残業協定である。労基法第32条で定められた労働時間を超えて働かせるための免罪符である。長時間労働が問題になり、労使協定の様式も変わった。労働者代表の選出は重要視されているはずであるが、これでは協定の様式が整っていれば有効ということになる。
監督官に「労働者代表の選出が適正に行われているのはどのぐらいだと思うか?」と質問したら、監督官は「1割程度だろう」と回答した。それならばなおのこと、瑕疵があったと判断したのであれば、きちんとした方法で選出させるための指導を行うべきである。会社だけでなく、労働者にも指導し、適正な選出をさせなければならない。
これでは、労働者代表は適正に選出しなくても問題にならないという「お墨付き」を会社に与えたことになる。
こうした問題を見過ごしていた労働者の責任も重い。
悔しさだけが残ったが、へこたれずに厚労省に対して問題提起をしたいと思う。
木村文貴子(神戸ワーカーズユニオン書記長)
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ある企業の労働者代表の選出をめぐり、神戸西監督署に、「すべての労働者に投票の権利がなかった」「会社が労働者代表を指名している」ことを理由に、36協定が無効であることを申告したところ、監督署の判断は、「労働者代表の選出に瑕疵(かし)はあったが、無効とまでは言えない」だった。
この問題について兵庫労働局に新たに申し入れ、確認すると、監督官は「会社が関与していることが明確であれば、是正勧告ができるが、労働者代表の選出は労働者側の問題であるため、会社を指導できない」「全員に聞かなかったとしても、実際に過半数になっているのだから、無効とは言えない」と回答した。言い換えれば、「協定は有効」ということになる。
厚労省のパンフレットには「過半数代表者の選出が適正に行われていない場合は『無効』」と記載されている。選出に瑕疵があったことが確認できたのであれば、やり直し以外にない。監督官に、「過半数あればいいのであれば、会社の息のかかった過半数にだけ意見を聞くことで労働者代表として認められるという公式回答でいいのか」と聞くと、「そうなりますね」との返事だった。呆れた。
36協定は残業協定である。労基法第32条で定められた労働時間を超えて働かせるための免罪符である。長時間労働が問題になり、労使協定の様式も変わった。労働者代表の選出は重要視されているはずであるが、これでは協定の様式が整っていれば有効ということになる。
監督官に「労働者代表の選出が適正に行われているのはどのぐらいだと思うか?」と質問したら、監督官は「1割程度だろう」と回答した。それならばなおのこと、瑕疵があったと判断したのであれば、きちんとした方法で選出させるための指導を行うべきである。会社だけでなく、労働者にも指導し、適正な選出をさせなければならない。
これでは、労働者代表は適正に選出しなくても問題にならないという「お墨付き」を会社に与えたことになる。
こうした問題を見過ごしていた労働者の責任も重い。
悔しさだけが残ったが、へこたれずに厚労省に対して問題提起をしたいと思う。
木村文貴子(神戸ワーカーズユニオン書記長)