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神戸市会で辺野古意見書採択を
 2.23 署名運動のスタートアップ集会
 稲嶺進氏が“辺野古の今”を訴え

2020/02/23

 昨年2月の沖縄県民投票で「辺野古埋め立てNO!」の民意が改めて示されてからちょうど1年。それでも辺野古の埋め立てが政権によって強行されている。このときの防衛大臣の発言が「沖縄には沖縄の、国には国の民主主義がある」……。これほど民意と地方自治を愚弄した発言があろうか。辺野古の問題は、まさに日本の民主主義に関わる問題として問われている。成功した堺市をはじめ各自治体に辺野古の埋め立て中止の意見書採択を求める運動が広がっているが、神戸市会にも意見書採択を求めようと神戸でも署名運動が始まった。2月23日、沖縄から稲嶺進さん(前名護市長)を招き、署名運動のスタートアップ集会が中央区の私学会館で開かれた。
 この署名運動に取り組むのは、党派を超えて多くの市民団体が参加・賛同している「神戸市への辺野古請願署名実行委員会」だ(連絡先=西信夫さん 080・5631・7699)。 集会は、小野純一さんの沖縄と連帯する歌と演奏で始まった。
 つづいて前名護市長の稲嶺進さんが登壇し、「辺野古の今」と題して、辺野古の埋め立てをめぐる攻防の現状などを訴えた。
 埋め立て反対72%を示した昨年の沖縄県民投票(19年2月24日)からちょうど1年ということもあり、稲嶺さんの話は県民投票のことから始まった。「岩屋前防衛相のとんでもない発言に日本国民はそう怒らない」「全国知事会へ住民投票の結果を尊重すべきかと沖縄県がアンケートしたところ、『すべき』との回答は2県のみで他は回答なし」と現状を厳しく指摘し、「国防ではなく『民意を尊重するか否か』というだけの問題なのに」と悔しさをにじませた。
 さらに、埋め立てをめぐる攻防の焦点がいま、海上抗議行動、シュワブゲート前、土砂搬送の塩川港入り口、琉球セメントの桟橋と広がり、運動のエネルギーが分散されていると報告し、現地に行ってほしい、現地を知ってほしいと訴えた。
 また、軟弱地盤の問題などにも触れ、新基地建設は実際には不可能だが、「解決するには時間がかかる。時間が解決すると言っても待ってはいられない。責任世代として、今できること、しなければならないことを見つけて行動する。その後ろ姿を子どもたちに見せないといけない。闘いをやめるわけにはいかない」などと熱く語った。
 その後、事務局から署名運動についての提案があり、当面5万筆を目標に署名運動に取り組み、6月の神戸市会での採択をめざすとされた。
 集会の最後には、議会内で連携する立場から、つなぐ議員団のあわはら富夫、高橋ひでのり両市議と共産党議員団の森本真議員の3人から連帯の発言があった。
写真:(上)参加者からの質問に答える稲嶺進・前名護市長、(下)集会前に記者会見する稲嶺進さん=2月23日、神戸市中央区