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新たに40名の追加で刻銘は2231名に
神戸空襲犠牲者刻銘追加式

2022/06/21
「いのちと平和の碑」に刻銘板を追加する遺族代表=6月5日、神戸市中央区
 「神戸空襲を忘れない―いのちと平和の碑」の第5回刻銘追加式が6月5日、神戸市中央区の大倉山公園に立つ碑の前で執り行われた。
 今回は新たに40名の犠牲者の名前を刻銘追加した。届け出のあった24名のうち15組が参加した。
 遺族代表の方は、「親族が集まると必ず語られる伯父の6月5日の須磨区村雨での戦災死がどこにも記録されていないとわかり、従兄たちと話して届け出た」と語った。「母と長男は空襲後に探しに来て何も見つけられず、丸焼けの家の跡から焼夷弾の破片を見つけ、父の仇であり遺品だと持ち帰った」との話もあった。
また、もう一人の遺族代表は、「5歳の時、一家5人で道路下の防空壕に入り、5月11日の空襲でただ一人生き残った。父が自分の上に覆いかぶさってくれたおかげだ。諏訪山に住む伯父が探しに来て助けられ、山口に疎開した」と話した。
 8千人と言われる犠牲者のうちやっと2,231名の名前が分かった。戸籍謄本から見つけたり、親族の話の中から忘れてはいけないと届けらたり、とさまざまだが、名前を探し記録に残すことをあきらめてはいけないと、2年後の追加刻銘までさらに犠牲者の名を集めていこうと、「神戸空襲を記録する会」は考えている。
 戦争の悲惨さを忘れてはいけない、生きたかったひとりひとりの命を忘れてはいけない、2度と戦争を引き起こしてはいけないと改めて思った追加式であった。
 (小城)