トピックス

王子公園再整備問題
「大学誘致ありき」が大問題
市民が熱心に討論会3・27動物園ホール

2022/04/13
王子公園・市民ミーティング・パートⅡ
 神戸市が昨年12月に公表した王子公園再整備基本方針(素案)をめぐる市民の反発や疑問はたいへん大きく、パブリックコメント(意見公募)には1456通、5632件の意見が寄せられ、その多くは反対意見だった。また、複数の市民団体やグループが「素案」の白紙撤回を求めて取り組んだ署名運動は大きな広がりを見せた。こうした市民の反響を受け、神戸市は当初の予定を約2か月遅らせ、4月以降に内容を見直した素案を再提示するとしたが、久元市長は大学誘致には頑なな姿勢をみせており、誘致は当初の方針通り進める考えを示している。こうしたなか、1月16日に210人が集まった「王子公園・市民ミーティング」を開いた同実行委員会は3月27日、「市民ミーティング・パートⅡ 大討論会」を開き、この問題の今後についての討論をさらに深めた。
 動物園ホールでのミーティングには約120人が参加。冒頭、司会を務めた金丸正樹さん(実行委員会事務局・水道筋ひだまり商店街)が主催者あいさつで、活動の交流、情報の共有、今後の活動の検討と、ミーティングの3つの目的を説明。
 つづいて、これまでの経過報告として、小林るみ子神戸市議がパブリックコメントでの意見の概要や神戸市の対応・見解などを紹介した。
さらに、この問題にそれぞれの立場で取り組んできた個人やグループからその活動内容が報告され、問題提起が行われた。発言者は、若者グループの代表、新聞への投稿や署名活動など個人で活動してきた大学教員、「みんなの王子公園&動物園の会」の代表らだ。
 その後は、13のグループに分かれてのワークショップ。参加者のこの問題に対する思いや意見が熱心に語り合われるとともに、今後の運動の方向性についても活発に意見が出された。
 出された意見のなかですべてのグループに共通していたのが、「市は市民との対話が不足」、「『大学誘致ありき』の市の姿勢が最大の問題で、この見直しこそがもっとも重要だ」と強調された点だ。
 こうした意見交換を踏まえ、今後の活動計画として、①4190筆集まった署名の市への提出と懇談、②県内の大学宛てに、大学誘致に関する公開質問状を出して各大学の見解を聞き、メディアに公開する、③3回目のミーティングとして、神戸市との意見交換会を4月末か5月連休明けに求める、④さらに、「ストップ大学」、「公園再整備の市民側からの未来デザインの提案」「広報・情報発信」などのセクションでの市民の知恵と力を求めて「助っ人」を募集していくなどの計画案が事務局から提案され、確認された。
 なおこれまでに集まった署名は3月30日、あわはら富夫、小林るみこ両市議と事務局の金丸正樹さんの3人で神戸市企画調整局に提出した。