新社会兵庫ナウ

水脈(2022年3月23日号)

2022/03/23
 3月23日は世界気象デーだ。1950年3月23日に世界気象機関条約が発効したことを記念して毎年この日を世界気象デーとしてキャンペーンテーマを設け、気象業務への理解促進に努めている▼今年のテーマは今、未発表だが、昨年は「海洋と私たちの気候・天気」。地球の表面の約7割を占め、人間活動によって排出された二酸化炭素の約3割を吸収して大量の熱を蓄える海洋は、気象や気候変動を考える上で大事な部分だと指摘している▼本来は弱アルカリ性の海水だが、吸収した二酸化炭素が溶け出す過程で炭酸になり、少しずつ中和し、中性へと「酸性化」している。その結果、石灰化生物(貝類やサンゴ等)の骨格形成が難しくなり、サンゴ礁が作り出す豊かな生態系の破壊につながりかねない▼さらに、海水中の化学的な変化により、海洋の二酸化炭素吸収能力が低下し、大気から二酸化炭素を吸収する能力が低下。今以上に地球温暖化を加速させ、近年の異常降雨や熱波による森林火災等、大規模災害を引き起こす▼環境破壊も省みない開発(人間活動)が続く限り、「海洋」の急激な悪化は避けられない。あらゆる生命に影響を及ぼす「海洋」を破壊せぬよう、関心を高めていこう。