新社会兵庫ナウ
水脈(2022年3月9日号)
2022/03/09
ここ2、3カ月、かつての民社党の亡霊を見るようで気分がすぐれない。60年の安保・三池闘争の時はいうまでもなく、国民の怒りが政府・自民党に向けて踏み出そうとすると、水をかけ、内部から冷やそうとしてきたのが、民社党だった▼しかし、その民社党も、いきなり政権の当初予算に賛成するという恥知らずな選択はしなかった。ところがこのたび国民民主党はそれをやった▼当初予算というのは、ずらりとおカネが並んでいるが、おカネによって表現された政策の柱である。トリガラスープの味の良し悪し程度で判断すべきでものではない▼政権のありようの根本がしっかり協議されて、賛否の理由が国民に明示される必要がある。他の野党から「そんなに政権に抱かれたいのか」「自民党の公明牽制のボールになりはてたか」など、軽蔑を交えた評価が下されている▼政治風土の劣化は目に余る。しかし、なにが起こっても不思議ではないという国民のソッポ向いた状況があること、それにはわれわれも責任があることは否めない。参院選、来年の地方選と重要な選挙が迫っているが、かつてに比べてわれわれの間の討論はトーンダウンしていないか。熱は冷えていないか。体温を計ろう。