福島は今なお「原子力緊急事態宣言中」
　2011年3月11日の東京電力・福島第一原発の事故から11年が経ちました。大気中に大量に放出されたセシウム137の量は、広島原爆の168発分です。私は福島県内スタディツアーに参加し、その悲劇を目の当たりにしてきました。福島だけでなく関東方面からの避難者を含めると何十万人もの人が住み慣れた故郷を追われたと言われています。
　福島では今でもなお「原子力緊急事態宣言」は発令されたままなのです。
　甲状腺がんになった子どもたち
　原発事故後に、甲状腺がんのために摘出手術をしたりその疑いのある子どもは、当時の児童38万人のうち、すでに293人にもなりました。1986年のウクライナ・チェルノブイリ原発事故後もたくさんの子どもが小児甲状腺がんにより甲状腺を摘出されました。小児甲状腺がんは、一般に100万人に1〜2人しか出ないと言われていたのにこれだけ発症させられているのです。にもかかわらず、政府・福島県は「原発事故による被ばくとの因果関係は認められない」とシラを切り続けています。
　6人の若者が東京電力を相手に裁判
　小児甲状腺がん等を患った6人の若者が、東電を相手に「311子ども甲状腺がん裁判」を始めました。彼・彼女たちは、①甲状腺がんが再発して全摘出した、②肺に転移した、③治療や手術で希望職種への就職を断念した、④大学中退や退職を余儀なくされた、若者たちです。再発におびえ、結婚や出産ができるか不安も抱いています。
　私は、未来ある若者をここまで苦しめている東電を許すことが出来ません。子どもたちが健やかに生きられる社会を作ることが私たち大人の責任ではないでしょうか。
　汚染土は全国にばらまき、汚染水は海に投棄
　田畑や庭は、放射性物質で汚染されました。政府は、この除染土を新たに定めた緩い基準で全国の農地や堤防の盛り土としてばら撒く予定です。
　さらに政府は、福島原発から出て増え続ける放射性汚染水（トリチウムだけではありません）を2023年から30年かけて海洋投棄しようとしています。原発から出るトリチウム混じりの温排水や青森県の核燃サイクル再処理工場周辺では、すでに白血病死亡や循環器系疾患が増えている事実が報告されています。
関電のデマＣＭを許さず新電力に切り替えを
　関西電力は、またも「カーボンニュートラルゼロには原発が必要」などのデマＣＭを再開しました。関電利用者の約300万人もが新電力に移行したことによる危機感の表れだと思います。
　原発は、ウランから核燃料棒を作る時や運転時もＣＯ2をたくさん出しています。
　そしてご存知のように関電旧幹部には合計3・6億円以上のワイロもありました。こんな関電を許せますか？新電力に移行することが抗議の意思です。原発15基が林立する原発銀座・若狭湾から神戸まで100㎞少し、事故が起これば我が事です。一緒に考え、行動しましょう。
（加古川　菅野順子）