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神戸市・区役所窓口の民間委託問題を考える
有志で交流会を持ち報告と討論

2022/03/09
 すでに昨年秋から神戸市の北神、兵庫区役所で始まっている窓口民間委託問題を考える交流会が2月16日、兵庫区内で開かれ、小林るみ子神戸市議からや、以下のような職場の状況の報告などが行われた。
 北神、兵庫区役所の民間委託について、市は昨年、労働組合に対し、4月からリーダーが来てやり方を教え、事業者内で研修してオペレーターを養成、ひと月前から職場に入って10月から実施する、と説明していた。しかし、実際には仕事についての研修は全くされていなかった。
 もともと住民票や戸籍処理などの業務は無理ではないかと言われていたが、法律もよく理解していないのに、相談や申請に来た市民に対応できるはずがないと思われる。
 こうした事情もあって、パソナとの契約から戸籍処理業務は外し、市に戻すという話が出てきていると聞いた。職員にとっても、仕事を突然取り上げられて、また突然戻すといわれても戸惑ってしまう。今は再任用の職員などベテランが外れてしまっている状況だ。
 市長は、本庁とテレビ電話で相談者とつないで対応すると言っているが、相談者がDV被害や外国人などの事情を抱えていれば、こんな体制で相談ができるのだろうかと考えてしまう。
 実際に、必死に教えたが2人辞めて、また新しい人が来て研修してもまた辞めて、の繰り返し。パソナから来た人も「時給千円でこんな業務をするとは思わなかった」と言っているらしい。
 処理後の照合で訂正しないといけないことが多く、市民の待ち時間も長くなっている。また、請負なので職員は窓口に出ないでと言われているが、市民ともめていたら出ざるを得ないのも実情だ。
 こんな現実なのに、なぜ神戸市は「民間委託は順調にいっている」と言えるのだろうか。
 先行している大阪でも実際にはここまで踏み込んでいなく、単純な窓口業務だけだという。
 市民サービスが低下していることに加えて、パソナに委託費を支払って低賃金労働者を増やしているだけで、実際に人件費削減になっているのかという疑問も起きている。