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王子公園再整備問題
素案は白紙撤回を
市民ミーティングに210人
署名活動もスタート

2022/02/09
 神戸市が昨年12月に発表した王子公園再整備基本方針(素案)が大きな波紋をよんでいる。市民不在ともいうべき拙速な計画づくりの発表と、そこに示された驚くべき内容に、市民の間には大きな疑問や反対の声が広がっている。すでに署名活動も始まり、素案では廃止される通称「サブグランド」を長年、練習場として利用してきた近隣の大学、中学、高校の陸上部が市長あてに嘆願書を出したとの報道もある。こうしたなか、1月16日に動物園ホールで開かれた「王子公園の未来を描く 市民ミーティング」には210人の市民が参加、市の素案に対する反対意見が続出した。
 
 「市民ミーティング」の第1部は、灘区のまちづくりに活躍する慈(うつみ)憲一さんが「摩耶の森、原田の森」と題してトーク。王子公園がつくられてきた歴史を紹介するとともに、自らが関わってきた摩耶山再生の取り組みの経験や教訓も語り、再整備計画づくりは、公園は市民のためのものとの立場から、行政まかせにせず、市民が自ら考え、議論しながら計画に参加していくことが大事だと提言した。
 第2部は市民からの発言の時間で意見続出。限られた時間の中で、発言できたのは14人だけだったが、いずれもいろいろな角度から素案に疑問や異議を呈するもので、以下はそのごく一部だ。
 「遊園地やプールはぜひ残して」「大学誘致ありきでなく、今の姿を残して」「動物園はスマスイのように民営化せず市営で」「立体駐車場を動物園域内につくるとは何事か」「少子化のなか経営が厳しい大学誘致に違和感」「老人施設や児童施設、学校の近くに騒音が心配されるアメフト会場とは」「用途替えして公園が縮小される」「『都市型動物園』の意味が不明」……。
 これらの発言を受け、「王子公園市民ミーティング」実行委員会として、①もっと十分に市民に周知して市民の声を聴くべきであること、②そのため、 「素案」はいったん白紙に戻すことを市に求めていくと集約。翌17日、実行委員会の金丸正樹さんや小林るみ子市議らが、集会参加者が会場で書いたパブコメの意見も携えて市役所を訪れ、要望書を提出した。
 今後、同実行委員会は他のグループとも連携しながら署名活動などを展開する。
素案で新設のもの
大学(誘致)、エントランス、立体駐車場
素案でなくなるもの
遊園地、プール、わんぱく広場、テニスコート、陸上トラック(現スタジアム内)、補助競技場