改憲の動きをウオッチング

2020年1月21日号

2020/01/21
■改憲発議阻止 安倍9条改憲にとどめを
 「たやすい道ではないが、必ずや私の手で成し遂げていきたい」―野党の結束によって自民党改憲案の憲法審提示を阻まれ、国民投票法改定案を5国会連続で採決を阻止された昨年の臨時国会閉会直後の安倍首相の発言だ。2021年9月までに改憲を実現しようとする並々ならぬ決意が込められている。
 本年の通常国会と臨時国会で「改憲発議」を許すかどうかの正念場になった。この期間に衆院解散・総選挙が行われる可能性も濃厚である。
 私たちは、2年間にわたって3000万署名や街頭行動などに取り組み、「安倍改憲反対」「9条守れ」の声を広げる努力を積みあげてきた。
 「安倍9条改憲NО!全国市民アクション」では、安倍改憲阻止の闘いがいよいよ重大な局面にさしかかったとして、3000万署名にかえて「改憲発議に反対する全国緊急署名」を呼びかけている。今年こそ国民の意思に逆らう安倍・自民党改憲にとどめを刺す年にしよう。
  ◇            ◇
■2019年―主な改憲の動き(下)
〈7月〉
・4日 参院選公示 安倍首相は、改憲について「議論を進める政党か、議論しない政党かを選ぶ選挙だ」と訴え、争点化
・16日 安倍首相、憲法審をめぐり「野党が審議拒否している。給料をもらっているのに職場放棄だ」と暴言
・21日 参院選投・開票 改憲勢力は発議に必要な3分の2議席を割る。安倍首相は記者会見で「勝利を収めた。憲法改正について議論すべきという国民の審判は下った。私の使命として残された(総裁の)任期の中で、憲法改正に当然挑んでいく」と強気の発言
〈8月〉
・1日 臨時国会開会
・5日 臨時国会閉会
・6日 公明党の山口代表は記者会見で、自民党内に参院選で勝利を得たとの見方があるが「何の民意を得たのかさっぱりわからない」と疑問を呈する
・27日 安倍首相、9月に内閣改造・自民党役員人事を行うと明言
・30日 防衛省、2020年度軍事費の概算要求決定。総額は5兆3223億円と過去最大
〈9月〉
・11日 第4次安倍再改造内閣発足。安倍首相は記者会見で改憲について「困難な挑戦だが、必ずや成し遂げる」と強調。自民党、臨時総務会を開き改憲シフトの新執行部を決定
・27日 河野防衛相、2019年版防衛白書を閣議に報告
〈10月〉
・4日 臨時国会開会
・8日 安倍首相、参院本会議で「自民党は改憲のたたき台を提示している。野党各党も改憲案を持ち寄っていただきたい」と求める
・10日 衆院予算委員会で安倍首相は自衛隊の9条への明記について「自民党総裁として大変大切だと思っている」と強調
・11日 自民党の憲法改正推進本部は、全国各地で憲法集会の開催を進めるため「遊説・組織委員会」の新設を決めた
〈11月〉
・7日 衆院憲法審、2年ぶり自由討議
・21日 安倍首相、参院本会議で「桜を見る会」の招待客の推薦にかかわっていたことを認める
・25日 「桜を見る会」野党追及本部結成。野党合同ヒアリングで政府を追及、19回開く
〈12月〉
・9日 臨時国会閉会。安倍首相、記者会見で「たやすい道ではないが、必ずや私の手で成し遂げていきたい」と改憲への執念をむき出しに
  ・10日 麻生副総理、改憲について「(任期中に)できるならいいが、できるあてがないなら、その対策を考えなきゃいかん」と述べ、総裁4選を示唆
・27日 閣議で自衛隊の中東派兵決定 
(中)