新社会兵庫ナウ

水脈(2021年12月15日号)

2021/12/15
 「怒れ!連合」。心の内を素直に言えば、この文字はゴシック体にしたい▼岸田政権の法螺「新しい資本主義」を造花で飾るために、経団連は3%以上の賃上げを求められている。政府が財界にお願いする際には、ご丁寧な見返りがつくのが常である。今回は減税という約束である▼政権と財界が手を組んで給水するという。水はまず企業を潤すであろうが、複雑怪奇に屈曲する配管を通って末端まで届くだろうか。正規、非正規など歪みや詰まりなどを抜けて雀の涙ほども底辺に達するであろうか▼賃金は労働者が団結して闘いとる、というのは労働者のアイデンティティーではなかったか。それをかじり取るような政府・財界に対して、労働者の代表・芳野連合会長は歯ぎしりしないのだろうか▼1964年、力強く盛り上がった春闘は世間を揺るがせ、時の首相と総評議長の会談を実現した。労働者代表の存在感は頼もしかった。芳野会長には、私の生まれる前のこととあしらわないでほしい▼今、連合会長の存在感は、春闘での勇姿よりは、野党共闘に水を掛ける言及である。力の源である労働者の上にスックと立って、「岸田のお為ごかしはNO!自らの力を!」と叫んでほしい。怒れ!連合。