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関生事件から学ぶものは―
竹信三恵子さんが講演
「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が学習会

2021/12/15
竹信三恵子さんは労働分野で労働三権を保障した憲法28条を否定する解釈改憲が進められていると指摘した=11月25日、神戸市勤労会館
 正当な労働組合運動を威力業務妨害や恐喝などの犯罪に仕立て、延べ89人を逮捕、71人を起訴するなどの全日建連帯・関西地区生コン支部(以下、関生支部)に対する異常な大弾圧を見過ごすことは、労働組合そのものの解体を許すことだとして、関生支部への支援と連帯を広げようと昨年10月に結成された「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」。その第2回総会とジャーナリストの竹信三恵子さんを招いた学習会が11月25日、神戸市勤労会館で開かれ、約120人が参加した。
 冒頭、主催者を代表して呼びかけ人の一人、岩佐卓也さん(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)が、「関生事件に関して関生支部に寄り添ってきた竹信さんが『賃金破壊―労働運動を「犯罪」にする国』という新刊を出版された。味わい深い本だ。その竹信さんの話や現場の話を聞いて怒りを持続させ、高め、広げていこう」とあいさつ。
 手身近に総会議事を終えたのちの学習会では、まず全日建連帯労組の小谷野毅書記長らが裁判闘争の現状などを報告。
 その後、竹信さんが「関生事件が示す近未来労組の可能性」と題して講演した。関生支部が1人でも入れる産業別労働組合として生コン業界の価格の適正化や賃上げ、労働条件の向上を図ってきたことが弾圧の対象となった構造を解き明かし、このことが問題の核心であることを示した。そして、労働組合の活動を威力業務妨害、恐喝、強要などの刑事事件用語に表現を変えて弾圧してきた国家権力側の手口を紹介し、それは労働基本権を保障した憲法28条の解釈改憲だと批判した。また、賃上げ装置である労働組合を破壊することは賃金破壊に他ならないとも提起した。さらにこの事件に沈黙してきた主要メディアと、「暴力的集団」のイメージを拡散したSNSなどのヘイト的報道の問題にも言及した。