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「あらためて問う!日本の社会保障」連続学習会・第3回
「生活保護は今」を学ぶ  11.28

2021/12/15
「神戸の冬を支える会」の觜本郁さんから生活保護をめぐる問題点や改善の方向などについての講演を受けた=11月28日、神戸市勤労会館
 熟年者ユニオンと安心と笑顔の社会保障ネットワーク(略称・安心ネット)が共催する社会保障の学習会『あらためて問う!日本の社会保障』の第3回は、コロナ禍のために2度延期されていたが11月28日、「生活保護は今」をテーマに神戸市勤労会館で開かれた。約50人が参加し、講師の觜本郁(はしもとかおる)さん(NPO法人神戸の冬を支える会)の講演に学んだ。
 冒頭、主催者を代表して熟年者ユニオンの山崎貢会長は「生活保護は最後のセイフティーネットと言われるが、コロナ禍による生活困窮者が増えているのに生活保護の受給者が増えていないのは何故なのか。生活保護制度の現状や課題をきちんと知ろう」とあいさつ。
 講演では、厚労省もコロナ禍の長期化の中で制度改正や運用変更など生活保護のPRに力を入れてはいるが、コロナ禍では生活困窮者は急増しているのに生活保護の申請ではなく、社会福祉協議会(社協)が行う生活福祉資金貸付を利用しているとの現状が報告された。
 また、觜本さんは「生活保護が後ろめたい、恥ずかしいと思うような社会でいいのか」と投げかけるとともに、扶養義務や持ち家の問題にも触れ、「扶養義務が生活保護の要件ではない」と解説した。また、今後の課題として、窓口での水際作戦など申請制限の防止、運用改善として恥辱感の払拭、さらに自動車保有の容認などの取り組みが必要だと提起し、「生活保護の誤解をなくしていくことが大切だ」と強調した。