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地域ユニオンあちこちあれこれ380
2021/11/17
有給休暇がなかった職場
神河町の吉岡町議を通じ、線香の製造・販売を行うS社に勤務する2人の労働者から「ウチの会社には有給休暇が無いんです」と、信じられないような相談を受けた。
同社では日給制を採用しており、年次有給休暇という名称の休暇はあるものの、休暇を取得すれば賃金は支払われず、賃金カットになるという。「それって、有給休暇と違うやん」と思わずツッコミをいれてしまったが、年末年始や大型連休も賃金支払いの対象とならないことから、同社の従業員はインフルエンザにかかっても病気を隠して出勤しているといった実態が語られた。
2人は社長に対して要望書を提出したり、労働基準監督署に改善を求めたりしたが、何の動きも無かったことからユニオンへの相談に至った。
会社に対して改善を求めるべき要求は多岐にわたったが、「法令に基づいた有給休暇、時間外手当の付与」「年齢に応じた給料表の作成」等に要求項目を絞り団体交渉を申し入れた。
第1回交渉で会社側代理人弁護士は、経営陣に対して法令を遵守することの必要性を説得しつつ、有給休暇取得の手続きを整備することを確約した。新たな給料表の作成については「直ちには対応できないため、お時間を」との回答であり、了解した。その他、一時金の引き上げ要求は春闘時期へ課題を持ち越すこととし、「過去にカットされた賃金の回復」が課題として残った。この件について会社側弁護士は、「当然の権利として請求できる債権とは見なされない」との見解を示したが、ユニオンからは「法令遵守という観点から休暇制度を見直すのであれば過去に不法行為があったことは明白で、損害賠償請求するのは当然のこと」と反論、法的手段に訴えることもあり得ると告げ、再考を求めた。
現在、S社では年次有給休暇を自由に取得できるようになり、従業員が権利を行使できるようになったそうである(当たり前の話であるが)。ユニオンが団体交渉を取り組んだ結果の成果であることを宣伝し、分会結成につなげていくことが次なる目標だ。
細川雅弘(姫路ユニオン委員長)
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神河町の吉岡町議を通じ、線香の製造・販売を行うS社に勤務する2人の労働者から「ウチの会社には有給休暇が無いんです」と、信じられないような相談を受けた。
同社では日給制を採用しており、年次有給休暇という名称の休暇はあるものの、休暇を取得すれば賃金は支払われず、賃金カットになるという。「それって、有給休暇と違うやん」と思わずツッコミをいれてしまったが、年末年始や大型連休も賃金支払いの対象とならないことから、同社の従業員はインフルエンザにかかっても病気を隠して出勤しているといった実態が語られた。
2人は社長に対して要望書を提出したり、労働基準監督署に改善を求めたりしたが、何の動きも無かったことからユニオンへの相談に至った。
会社に対して改善を求めるべき要求は多岐にわたったが、「法令に基づいた有給休暇、時間外手当の付与」「年齢に応じた給料表の作成」等に要求項目を絞り団体交渉を申し入れた。
第1回交渉で会社側代理人弁護士は、経営陣に対して法令を遵守することの必要性を説得しつつ、有給休暇取得の手続きを整備することを確約した。新たな給料表の作成については「直ちには対応できないため、お時間を」との回答であり、了解した。その他、一時金の引き上げ要求は春闘時期へ課題を持ち越すこととし、「過去にカットされた賃金の回復」が課題として残った。この件について会社側弁護士は、「当然の権利として請求できる債権とは見なされない」との見解を示したが、ユニオンからは「法令遵守という観点から休暇制度を見直すのであれば過去に不法行為があったことは明白で、損害賠償請求するのは当然のこと」と反論、法的手段に訴えることもあり得ると告げ、再考を求めた。
現在、S社では年次有給休暇を自由に取得できるようになり、従業員が権利を行使できるようになったそうである(当たり前の話であるが)。ユニオンが団体交渉を取り組んだ結果の成果であることを宣伝し、分会結成につなげていくことが次なる目標だ。
細川雅弘(姫路ユニオン委員長)