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コロナが広げた格差と貧困
憲法を生かす会・明石が秋季学習会

2021/10/27
「労働相談から見えたもの」として、ひょうご働く人の相談室事務局長の山西伸史さんが講演した=9月27日、明石市
 憲法を生かす会・明石 の21秋季学習会が9月27日、明石市勤労福祉会館で開かれた。
テーマは「コロナが広げた格差と貧困〜労働相談から見えたもの〜」で、 講師はNPO法人ひょうご働く人の相談室事務局長の山西伸史さん。
労働相談のチャンネルを増やそうと「働く人の相談室」を開設してから3年目にコロナ禍が発生したが、山西さんは、そのとき全国的にもいち早く専用電話相談を    
 開始してその年の年末までに約300件の相談を受けた経験をもとに豊富な資料を添えて、分かりやすく講演した。
受けた相談では、非正規労働者からが半数近くで、業種的には飲食・小売業が多く、内容は休業手当・シフト削減などが多数であったと紹介し、新自由主義がもたらした格差と貧困の拡大がとくに非正規・女性に集中し、野村総研が発表した実質失業者300数十万、失業率5%が実態だと指摘。そして、労働・雇用政策や社会保障・福祉のセーフティネットを機能させる闘い、とりもなおさず新自由主義との闘いが必要だと提起した。
 講演後の交流・討論では、最賃1,500円やベーシックインカムなどをめぐって活発な意見が出され、正規かつ終身雇用の男性労働者を標準に組み立てられてきたこれまでの労働運動や社会保障・福祉制度のあり方について再整理し、すべての人が個人として守られる社会をめざすべきとの認識を共有した。
 学習会の冒頭には、来賓の吉田秀夫明石市議から明石市独自の給付型奨学金の募集枠を当初の30から110に広げさせたとの報告もあった。(岡崎義)