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「いのちと暮らし」シリーズ・第1回
日本の貧困・格差問題を考える
佐野修吉さんを講師に
市民デモHYOGOの連続学習会

2021/10/27
3回シリーズの第1回で日本の貧困・格差問題の概観を語る佐野修吉さん=9月25日、神戸市勤労会館
 市民デモHYOGOが主催する連続学習会の第3回が9月25日、神戸市勤労会館で会場参加とオンラインを併用して開かれた。今回は「いのちと暮らし」シリーズ(3回)の第1回で、「『豊かな』日本の貧困・格差問題(問題の概観)」をテーマに、教育ローン化した奨学金問題に取り組んでいる佐野修吉さんが講師を務めた。
 佐野さんは、GDPが世界で第3位、1人あたりのGDPでもドイツやイギリスと肩を並べる日本でなぜ、どのように貧困問題が起きてきたのかと問題を提起。GDPや国家財政の推移をはじめ、労働者の実質賃金、労働分配率の推移や国際比較などを豊富なデータをもとに検討し、日本は世界一金余りの「豊かな」国で、富裕層・超富裕層が増大している一方、貧困層も増大し、深刻化している現実を実証。貧困問題は、富の再配分の問題だと指摘した。さらに、この社会は資本家階級対労働者階級という階級社会だという観点を基本に置くことが重要で、戦後福祉国家の時代には資本家階級が妥協し譲歩していたのが、資本主義経済システムが「新自由主義」に世界的に大がかりに転換し、資本家階級が譲歩を止めたことが問題の根本だと提起した。
 学習会の同シリーズは、今後「『貧困・格差問題』の根本原因〜『新自由主義』とは何か」(第2回)、「貧困・格差問題にどう取り組むか〜具体的な運動」(第3回)とつづく。
 連続学習会の第4回は「脱原発」シリーズとなり、その第1回(「安全性だけではない原発の問題点を問う」)で、10月23日に神戸市内で開かれた。連続学習会は隔月で開かれている。