新社会兵庫ナウ

おんなの目(2020年3月24日号)

2020/03/24
例年と違う今年の春
 2020年3月、今年の春は例年と違う。
 3月の初めの今頃ならあちこちから匂ってきていた、いかなごのくぎ煮を作るあの匂いが今年はどこからも匂ってこない。年々漁獲量が減ってきていたが、今年はさらに減ったようだ。2月29日に解禁したものの、あっという間に3月6日には終漁日を迎えた。実質2日間の操業だったとニュースで見た。気候変動の影響だろう。値段も年々高くなり、庶民の手には入らないものとなってしまった。
 さらに今年は新型コロナウイルス感染症のため、町の風景が変わってしまった。それまでグルメ三昧の生活を送っていた安倍総理に批判の声が届き、「やってる感」を出そうと思ったのか、突然の全国一斉の休校要請。日本中がびっくり仰天した。平日なのに学校に子どもの姿が見られない。学校に行けなくなった子どもたち。子どもも大人もストレスを抱え込む。図書館、勤労会館など私がよく利用している施設も軒並み休館。あちこち出かけていた私だが、予定がキャンセル続きで家にいる時間が長くなった。そこで、パソコンで国会中継を見るのが日課のようになってしまった。
 その国会、実に酷い。「桜を見る会」前夜祭、ホテルニューオータニで5千円で立食パーティーができると思う人はいないだろう。それでも嘘を言い続ける安倍晋三。椅子の陰に隠れて答弁を書く官僚、それを当たり前であるかのように平然と待っている北村大臣。森大臣は、何が何でも黒川検事長に定年延長をさせようとその場限りの言葉を並べ、国会を混乱させている。気分が悪くなったのは茂木大臣の態度と仕草。東京高検検事長の定年延長問題で、国家公務員法の延長規定が検察官には「適用されない」とする政府解釈を「現在まで続けている」という答弁を撤回した人事院の松尾給与局長を犬でも追い払うような手つきで「帰れ、帰れ」と怒鳴ったのだ。クルーズ船の業務に携わっていた検疫官に「防護服は必要ない」と言った加藤厚労大臣もひどい。1日6千件できると言ったPCR検査数が1千件しかできていないことを追及されると「能力と、全部できるかどうかは別の問題」と、責任逃れの発言。これが国会か。議論されている内容も国民の暮らしに全く目を向けないものだが、それ以前に人間を尊重するという姿勢に欠けた人たちが決めていることが恐ろしい。
 それにしても、新型肺炎対策で日本と各国の対応の違いにあ然とする。台湾は感染拡大の食い止めに成功したと言われている。武漢市当局が原因不明の感染症発生を認めた昨年12月31日、台湾当局が即座に武漢からの直行便に対して検疫を始めた。蔡英文総統が中国に忖度せず、感染拡大の食い止めを優先した素早い対応が評価されている。
 国内でも和歌山県は感染の増加が食い止められているが、疑わしい人すべてにPCR検査をした対応がよかったと言われている。
 政治のトップに立つ人の姿勢によって、そこに住む人の命が左右される。今の安倍政権では私たちの命も健康も保障されない。やっぱり安倍総理、辞めてもらわなきゃ。そこに行きつく。                        
(M・S)