新社会兵庫ナウ
水脈(2021年9月28日号)
2021/09/28
「信なくば立たず」。今から2500年前、政治で最も大切なものは、と問われた孔子の言である。信、すなわち為政者と民の信頼であると教えている▼民主主義の時代ではないので、信をしっかり見せる責任は為政者の方にある。ぶれない信念と前を見据える理想を持っていなければならない▼ところが、今進行中の自民党総裁選は、信の崩壊・溶融のオンパレードである。われこそ本命と決意を表した人がスタートでドロン。待てど禅譲がかなわなかった恨み節・役員権限の抑制を奏でる人、アベノミクスのヘドロに浸ってアベノミクス万歳を叫ぶ御仁、長期政権の腐臭に距離はとりたし、とれば恐ろしと足踏みの三代目御曹司。これでは信の立ちようがない▼国民のすべてが、腐敗の象徴をモリ・カケ・サクラに見ているのに、そこに触れば泥船は沈むとばかりにさわれない。全派閥が締めつけはしないというが、本音は意志統一できない、意志もないというところか▼国民と思いや力を通わす毛細管が切れている。これでは自民党も弱るしかない。我々も国民と強いパイプを持ちえているか、他山の石(二階氏のいう意味ではなく、自己批判の態度を堅持して)としなければならない。信こそ力だ。