新社会兵庫ナウ

おんなの目(2021年9月28日号)

2021/09/28
愛犬コーギー「じろ」
 
 愛犬コーギー「じろ」が我が家にやってきて1年あまりになる。
 壊れそうにちっちゃくて、ぴゅーぴゅー鳴いて、なかなか目も合わない。「じろ」という名前が自分のものとわからないから呼んでも振り向かない。最初はそんなだったなぁと懐かしく思い出す。
 「犬、飼いたい!」は私の希望で、でも現実はそんなに甘くなかった。「育犬ノイローゼ」寸前の時期もたくさんあったかも。今は過去形で言える。まだまだテンヤワンヤだけど。
 ワクチンが終わるまで散歩には長い間出られなくて、4時に仕事が終わったら急いで帰り、夫が帰るまでリビングに母子ふたりきり。ワクチンが終わったら終わったで、朝夕の散歩もあちこち行方定まらず、キープレフトなんて、とてもとても。オシッコの場所もなかなか覚えられなくてソファでするのがマイブームになってしまった。ソファはトイレ化していき、しまいには毎晩前足で掘り掘りし始め、穴は日に日に深くなり、ソファは粗大ゴミに。ゴハン時には毎回立ち上がってはテーブルにまとわりついてくるから、台所でしょうがなく立って食べることもたびたび。
 出勤前のギャン鳴きに加え、ついにはサークルを跳び越えてしまった。とりあえずシーツを屋根がわりにして出かけ、仕事帰りに資材を買いに走り、屋根をつけた。大型犬用のサークルに買い替えた後も、あばらを痛めるくらいな勢いで心必死にまた跳び越えてきた。
 「とほほ」は続くよ、どこまでも。
 じろは、個性的といえば個性的。おおかたの予想を常に裏切ってきた。夏に冷やっこいベッドを買ってやったら即、破壊。網戸から見えるお外がうれしすぎたのか、いつの間にか網戸を突き破り顔が出てる。ボール遊びは、これは私が褒めたのが悪かったのだけれど、ボールを口で投げるのが得意になってしまい、最近は壁打ちしたり、ドリブルしながらクレートにシュートまでするあり様。育て方、間違ったかな。でも極めればいいのかなと思ったりもする。
 じろが足を挫いたときは夫婦で慌てて動物病院に走った。診察室でスタスタ歩き始めたときには安心するやら恥ずかしいやら。気づけば夫はパジャマだったから(笑)。
 いろいろありすぎて数えあげればきりがない。でも、私たちのため息をよそに彼はすくすく育ち元気いっぱい。ありがたい。
 パピー(赤ちゃん)の頃より今の方が、より一層愛おしく感じる。たくさん悩みながら、たくさん遊びながら、たくさん笑いながら一緒に過ごして来たからかな。
 本も読んだし、ブリーダーさん、Facebookのグループに相談もした。お金をかけてトレーナーさんの力を借りもした。躾についての私たちの知識や根気が足りなかったのは反省しつつ、子育てはマニュアルどおりにはいかないことや、焦らずどっしり構えることも大事かなと気づかされる1年だった。
 運動もそうかもしれない。基本は譲らず大切にしつつ、仲間と一緒に悩んだり笑ったりしながら柔軟にやっていきたいと思う。(森正美)