新社会兵庫ナウ

おんなの目(2021年8月10日号)

2021/08/10
持続し繋げていく課題
 
 コロナ禍の中、色々な問題を抱えながらオリンピックが開催されました。コロナに脅かされる非常時に人間は何を優先するのか。それぞれの場面で人命か経済か、選択を迫られます。経済を回すために弱い人がどんどん切り捨てられていきます。悔しいですね。今さらながら「1人は万人のために、万人は1人のために」の精神の大切さを実感しています。
 「NPO花たば」にとっても今、設立以来の大きな課題を突きつけられています。
 2004年設立時は、困難な課題も「夢」を語りながら絆を強め、仲間を拡大して解決してきました。そして、「いつでも一人になれる、いつでも誰かに会える、いつでも誰かにまかせられる」―そんな高齢者住宅を4年間かけて建設しました。今思えば何と無謀なことをしてきたか。銀行はNPOにはお金を貸してくれません。仲間の協力があってこそ実現したのです。「花たば」は「夢」を形にし、スタッフも確保し、軌道に乗せてきました。
 しかし、それを持続し繋げていくという大きな課題が、創った者の責任として今課せられています。「建てた建物はいつかは壊さないといけない。壊す費用を担保するのは建てた者の責任だ」と義母が言ったことを思い出します。今102歳、デイケアでは最高齢でみなさんの目標になっているそうです。義母の凛とした背中を見ながら自分はどうだろうと自問自答をしています。
 ひとりひとり、みんな本当に頑張っています。それがなかなか報われませんが、コツコツと築いてきたゴミ出しサポートでは、中学生・高校生がサポーターとして活躍してくれています。その子どもたちに教えられることも多いです。R学院の生徒たちは卒業しても次に引き継いでくれます。また、彼らはインドのハンセン病の方たちのため毎月寄付を集め、何年も支援を続けています。その額を聞いて驚きです。継続していく力に敬意を表します。大人も負けてられませんね。
 継続するにはなんと言っても人材と活動資金が必要です。それを作るためにも「花たば」は一大決心をし、水道筋6丁目にあった2店舗を1つにして水道筋3丁目に引っ越すことにしました。地域活動ネットワークステーションとして、NPOと市場・商店街の方たち、そして高齢者はもちろん子どもたちと繋ぐ拠点とし活動します。ひとりひとりが差別されることなく大事にされ、平和で安心して暮らせる社会を、そして笑顔が絶えない街を創るため、もうひと頑張りします。
 「花たば」を支援協力していただける方、是非お声掛けください。お待ちしています。(須見恭子)