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コロナ禍における
医療や介護問題等を考える
憲法を生かす会・兵庫が学習会

2021/05/25
 憲法を生かす会・兵庫の学習会が4月23日、兵庫区文化センターで開かれた。小林るみ子神戸市議を講師に、「コロナ禍で見えた神戸市の医療・介護・教育体制」をテーマに学習した。
 1点目は労働関連。職場でのコロナ感染をめぐって、全国で医療関係では4,786件、介護関係では1,894件のコロナ感染に伴う労災請求がされ、約半数が適用されているとの報告があった。また、雇用や休業補償について、特に非正規労働者、学生、ひとり親(母子世帯)、福祉労働者などにしわ寄せがいき、同一労働同一賃金が法制化されても実態はより厳しくなり、平時からの正規化、均等待遇、最低賃金の引き上げの取り組みが大切だと強調された。
 2点目は、医療・保健関連。1990年代から社会保障制度の改悪が進められ、1994年に「地域保健法」が制定。全国的に保健所の統廃合の動きが始まり、神戸市では9区すべてにあった保健所が1998年に1か所に集約され、その結果が今回のコロナ禍での混乱に繋がっているとの説明があった。
 3点目は介護関連について。2000年の介護保険制度発足から20年が経ついま、国の予算が抑えられ、一方で高齢者が激増。介護労働者の待遇は、賃金・労働条件いずれも他の業種の労働者より劣悪で、どの施設でも人員不足の状態が続いており、そんな中での今回のコロナ感染拡大は、ますます労働実態を悪化させているとの実情が報告された。また、介護保険制度の改悪によって必要な介護を受けられず、介護殺人、介護心中、介護離職、ダブルケアー、ヤングケアラーなどの深刻な実態についても紹介がされた。
 このほか、教育関連や神戸市の2021年度予算案についてもさまざまな問題点が指摘された。(山田)

小林るみ子神戸市議から報告を受けた学習会=4月23日、兵庫文化センター