新社会兵庫ナウ
水脈(2021年3月23日号)
2021/03/23
韓国のソウル市が無償学校給食を実施して10年目の今年、すべての小中高校での「親環境無償給食」を達成する。「無償給食」は市内の国公立と私立学校など1348校、83万5千人が対象。「親環境」は有機・無農薬・減農薬、しかも地産地消。ソウル市近郊でとれた食材を使用した給食が提供される。開始から対象を順次ひろげてきて今年は残っていた高校1年生まで拡大し、全面実施となった▼ソウル市は学校給食だけでなく「無償教育」として入学金・授業料・学校運営支援費・教科書購入費を支援してきたが、さらに今年から中・高の新入生に約2万8千円の入学準備金の支給も始めるという▼ところでソウル市は、自殺した朴元淳市長の補欠市長選が4月7日に行われる。セクハラへの批判は当然だが、朴元淳氏が主導した市政改革は大きな成果をあげていることは認めなければならない▼翻って日本である。憲法26条は「義務教育は、これを無償とする」とはっきり謳っているにもかかわらずその実態はどうだろうか。「無償の義務教育」、しかしスーパー市長の登場をまったり、棚ぼたで法律ができるのをまつのとは違う。やはり、それを実現するための市民の「運動」が必要なのではないだろうか。