新社会兵庫ナウ

おんなの目(2021年3月23日号)

2021/03/23
2021国際女性デー

 アイ女性会議ひょうごは3月8日の国際女性デーに「一人で悩まないで」「みんなで声をあげよう」と街頭でアピールした。1年以上続くコロナ禍で、生活困窮やDV等からか女性の自死が増えていることを重視した。
 国際女性デーの誕生には多くの女性の運動・闘いがある。1908年、アメリカで女性参政権を求めるデモ、ドイツのクララ・ツェトキンが「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念日として提唱、ロシアの2月革命、日本では1923年に「赤欄会」が初の女性集会を開催したなどの歴史がある。
 国連は1975年、女性の社会参加と地位向上を訴える日とし、1995年、兵庫からも数人が参加した北京での第4回世界女性会議での「北京行動綱領」を受けて「国際女性デー」と定めた。今年のテーマは、「リーダーシップを発揮する女性たち;コロナ禍の世界で平等な未来を実現する」だった。
 世界経済フォーラムによる日本の男女平等度(ジェンダー指数)は153か国中121位と発表され、過去最低だった。政治分野だけ見ても144位となっており、いかに女性議員が少ないか、女性の声が政治に反映されていないか。男女の賃金格差が大きいことなど、本当に情けない数字だ。子育てをしながら、またシングルで働き続けても、会社でポストに就ける女性は少ない。とにかく大事な事を決める場に女がいないのだ。そのことを問いかけ、平等な実態にどう改善していくかを問いかけるのが国際女性デーの目的でもある。ネットで「国際女性デー」を検索すると動画も多くあり、北欧・EU諸国にも学びたい。
 私たちのアピールも翌日の神戸新聞に掲載されたが、刑法の性犯罪規定改正を求める法務省前でのフラワーデモ、「女性差別撤廃条約実現アクション」による裁判官の女性割合を高めることを求めた要請行動など、全国各地での行動の報道が例年よりは増えたと感じた。
 森喜朗氏の女性蔑視発言は、それへの怒りと共に自身はどうかと考える機会になったのではないだろうか。差別発言や対処にも、その都度「おかしい!」と声を上げ続けることは大変で、「またか」と聞き流すのが実情だが、勇気が必要だ。
 さて、国際女性デーのシンボルとも称されるミモザの花。イタリアでは日ごろの感謝を込めて男性から女性に送られる花。このシーズン、花屋さんは黄色のミモザの花で埋まるとか。日本ではどうだろう。バレンタインデーのチョコレートのような話題性は全くない。
 我が家でも残念ながらミモザ、バラ、カスミソウ、カーネーションの花を自分の財布で買って花束にした。そして、国際女性デーの街頭アピールに持参し、初めて参加してくれた若い女性にプレゼントした。「おんなの目」を読んで下さった男性の皆さん、今からでも遅くないから照れないで感謝の気持ちだけでも伝えては。(加納花枝)