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第71回ひょうご労働法律セミナー
コロナ禍の労働相談を学ぶ
ひょうご労働法律センター

2021/03/09
上原康夫弁護士がコロナ禍における労働相談のポイントを講義=2月19日、神戸市勤労会館
 ひょうご労働法律センターは2月19日、同センター代表の上原康夫弁護士を講師に、「コロナ禍における労働相談のポイント」をテーマにして第71回ひょうご労働法律セミナーを神戸市内で開いた。
 昨年からコロナ禍に関する労働・雇用ホットラインが地域ユニオンで取り組まれてきたが、労働相談に的確に対応するためには労基法などの正しい理解や解釈が必要で、セミナーはこれに応えるタイムリーな学習の場となった。
 上原さんは、例えば家族に感染者が出たことを理由に「自宅待機」を命じられた場合の賃金はどうなるのかという問題について、基本的には全額請求ができるとの考え方を示した。民法536条2項では、労務の提供を受けることができないことについて、使用者に故意、過失などの事由がある場合は、反対債権である賃金を払えという内容が示されている。
 労基法26条には「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業中当該労働者にその平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」とある。地震などの不可抗力以外は全て6割以上支払えということである。
 また、コロナ禍による「不利益変更」、「解雇・雇止め、退職勧奨」などについても解説。質疑応答では、歩合制のタクシー運転手の売り上げがゼロの場合に賃金がどうなるのかという質問に、「最低賃金は請求できる」と答えた。(菊地)