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経ヶ岬 
拡張・固定化が進む米軍Xバンドレーダー基地
憲法を生かす会・兵庫で学習会

2019/12/21
脅かされる住民の安心と安全
  安倍政権は12月18日、2019年度以降の防衛計画大綱(新防衛大綱)と2023年までの中期防衛力整備計画(中期防)を閣議決定。従来の「専守防衛」という軍事戦略の枠を逸脱し、軍事大国への道をさらに大きく踏み出した。一方、日米同盟の強化として日米軍事一体化も確実に進行してきている。
 こうしたなか、近畿で唯一の米軍基地である京丹後市経ヶ岬のXバンドレーダー基地(米軍経ヶ岬通信所)はいまどうなっているかを知ろうと、憲法を生かす会・兵庫は12月21日、兵庫勤労市民センターで学習会を開いた。現地で節々に行われる集会や行動に毎回参加している寺本恵治さん(憲法を生かす須磨区の会)から基地の現状について報告と解説を聞いた。
 以下はその報告の一部。
「2期工事」でさらに基地の拡張化
 基地の配備決定から5年10カ月、工事着工から4年7カ月、そして本格稼働からまる4年、当初の約束はことごとく無視され、米軍関係者によって多発する交通事故(これまでで約60件)や騒音問題などの「基地被害」が増え、住民の安心と安全はどんどん脅かされてきた。
 さらに昨年4月からは基地を拡張する「2期工事」が本格的に始まった。「2期工事」では新たに隊舎や厚生施設の建設が予定されていたが、7月にはレーダーサイトを囲む大がかりな防御壁と監視塔の建設計画が、8月には弾道鋼鉄シェルターの設置計画が判明した。
 明らかに相手側から攻撃される対象であることを自ら物語るものだ。当初の約束は守られず、基地の拡張・固定化が顕著に進んでいる。
 また、負傷者を病院に緊急搬送するドクターヘリに対してレーダーの停波をせず、ヘリが一時飛べなくなるという人命にかかわる事態も5月に発生した。
頻繁化する軍事訓練と拡大する自衛隊基地
 昨年1月には陸上自衛隊による米軍基地警護訓練が雪の中3日間にわたって行われたり、2月には自衛隊のヘリポートに「輸送のため」と称して、米軍の攻撃用へり(ブラックホーク)が飛来した。
 もう一方で際立つのは、隣接する自衛隊基地(経ヶ岬分屯地)も大きく変貌したことだ。大きなアンテナ2基が新たに設置され、隊舎の新設・拡張や弾薬庫の要塞化など威圧感のある新基地として装いを変えてきた。こうして経ヶ岬は日米合同の軍事拠点になりつつあるといえる。住民の不安は大きくなる一方だ。
写真:(上)憲法を生かす会・兵庫の学習会=18年12月21日、(下上)基地の中央部には隊舎が新設されるなどの「2期工事」が進んでいる、(下中)基地内からカメラを向けて威嚇する米軍関係者、(下)大規模に拡張された米軍に隣接する自衛隊基地=18年11月4日