ひょうごミュージアム

ひょうご碑物語『旧国鉄高砂線モニュメント(加古川市尾上町今福)』

2021/02/09
JR加古川駅と高砂市の臨海工業地帯を結び1984年に廃止された旧国鉄高砂線に因むモニュメントのひとつが尾上駅跡に設置されている

 現在のJR加古川駅から高砂の臨海工業地帯をむすんだ旧国鉄高砂線は貨物線部分を含め全長8㌔。最盛時には年間輸送人員125万人、貨物は42万7千㌧を記録したが、バスやトラック輸送に押される形で1984年に廃止された。
 もともとの出発は、加古川の舟運にとって代わるように西脇から高砂まで鉄道が敷設されたことによる。播州鉄道高砂線の開業は1913年12月で、6年後に播丹鉄道に譲渡されたあと、1943年に国鉄に買収される。
 高砂港は江戸期から北播や丹波の米の積出港として栄えた。大正期以降は、近代化の中で紡績、製紙、製薬などの工場が進出して貨物輸送の需要が高まり、鉄道敷設につながった。
 1941年には、旧陸軍の造兵廠播磨製造所が建設される。のちの国鉄高砂工場で、車両の修理や補修などを受け持った。
 廃線後は、加古川市役所南にあった野口駅跡や尾上駅跡、高砂駅跡などに案内版とともに、列車の台車や車輪などのモニュメントが設置された。名刹鶴林寺近くの線路跡は緑道として整備されており、散策に最適のスポットだ。
【メモ】尾上駅跡は山電尾上の松駅から北東へ5分。