トピックス

地域からくらしの希望を広げる 自治体議員の活動紹介

2020/01/21

神戸市会に新しい流れ作る

つなぐ神戸市会議員団

昨年4月の神戸市議選で当選した、あわはら富夫(新社会党・中央区)、小林るみ子(新社会党・灘区)、浦上忠文(無所属・東灘区)、高橋ひでのり(無所属・垂水区)、香川真二(神戸志民党・西区)の5人の議員が合同会派「つなぐ神戸市会議員団」を結成して約半年が経過した。 会派名には、市民と議会をつなぐ、市民と市民をつなぐ、市民と市政をつなぐ、などの思いを込めたが、この間、共通政策方針として、①市民の声を市政に生かす、②市政のチェック機能を高める、③政策決定過程の透明化と徹底した情報公開、④「人とくらしと教育」を優先する行政への転換、⑤議会報告会の開催をはじめとする市民に開かれた議会改革の推進、⑥女性や子どもの視点を大切に、などを掲げて活動してきた。 そのうちの「議会改革の推進」の実践として、議員団の市政報告会を8月(西区)と11月(垂水区)に開催したほか、「市民と市政をつなぐ」実践として、震災被災者支援、フリースクール支援、学童保育、障がい者問題、依存症支援、三宮再整備問題などに取り組むグループと懇談を行い、意見交換をしながら、議員自らが勉強し、当事者である市民の声にもとづいた政策提言を議会で行なってきた。また、意見交換の中で浮かび上がった市政の問題点をまとめ、会派としての見解を踏まえて2020年度神戸市予算に対する要請も11月に市長宛に行った。  5人の会派で交渉会派になったことから、①会派代表者会議、議会運営委員会および理事会への出席が可能になり、議会運営に対する影響力を得られ、②3つの特別委員会すべてで委員選出が可能になり、チェック機能の強化や発言の場を確保でき、③各種審議会への参加と政策提言が可能になった。 さらに、市民運動とつなぐ役割として、アート・プロジェクトKOBE2019「TRANS」の中止問題や須磨水族園の事業者変更問題などでは市民運動の皆さんと一緒に当局へ申し入れをしたり、議会で問題点を指摘し、当局の姿勢を追及してきた。  この半年間、「つなぐ議員団」が重視してきたのは、議案に対する徹底した議論だ。東須磨小学校での教員間暴行・暴言問題をめぐって神戸市は加害教員の給与の支払い差し止めの関連条例の「改正」案を9月議会に提案したが、「つなぐ議員団」は議論の末、「条例改正は法律の範囲を超えており、違法性が指摘される」「起訴の恐れがある場合などの規定は、任免権者の恣意的な運用を招く恐れがある」などの理由で、会派として議会で唯一、議案に反対した。  この条例「改正」については、その後、マスコミや識者からも多くの批判と疑問が寄せられており、この件からも「つなぐ議員団」が神戸市会に新しい流れを作っていることは間違いないと言えよう。
つなぐ神戸市会議員団政務調査員 中村 伸夫


市民と共に住みよいまちへ
尼崎市議会議員  つづき 徳昭
つづき徳昭
私の住んでいる阪急・武庫之荘駅前周辺は、70数年前に阪急電車が開発した住宅地だが、駅舎と大きなクスノキ、そして駅前には南北とも信号機がなく、今としては珍しい駅及びターミナルだ。 駅が出来たときは田んぼの中で、駅利用客も少なかったと思うが、高度成長期を経て駅利用者が著しく増加し、公設駐輪場の不足から駅前は放置自転車であふれていた。その数は1500台とも言われ、5年前くらいまでは全国ワースト15位というほどのターミナルであった。車椅子はもちろん、人が横になって2人が歩けないほど放置自転車が溢れていた。これまでも地域団体が取り組んでいったが、一時的には効果があっても、すぐに元の木阿弥状態を繰り返してきた。 その改善に地域の方々と一緒になって取り組みを始めて10年近くになる。最初はまちづくりの専門家を探すことから始め、自転車問題の専門家の先生に助言をいただき、放置自転車の実態調査や自転車利用者のアンケートを行い、市に提言書を提出した。また、放置自転車がない状態だと駅前がどのように変わるかと「ロータリ祭り」を行った。祭りでは、駅前に一般車両の進入禁止や歩行者天国などを設け、地域の小・中・高等学校の吹奏楽部演奏会や地元ミュージシャン、フリーマーケット、子ども広場などを取り入れ、たくさんの人出でにぎわう。今年で8回目となり地域の祭りとして定着してきている。 こうした地域の動きに、行政も放置自転車問題の重点地区として指定し、民間自転車駐輪場設置補助金制度の金額を増額し、民間駐輪場が確保できたことで今では劇的に変わり、放置自転車がない状態となった。今は、自転車の盗難、事故防止に軸足を移しながらの活動となっている。 私自身は今の住居に住んで30年くらいで、地域ではなじみのない人間だったが、地域的にはPTA活動や地区計画づくりとマンション建設反対運動、放置自転車問題などで地域の方々との繋がりが出来てきた。地域課題にどのように取り組むべきか、地方議員の課題として実感している。

公契約条例の制定めざす
明石市議会議員 吉田 秀夫
吉田秀夫
公共工事・公共サービスの現場にコンプライアンスを確保し、従事するすべての労働者の労働条件について、健康で文化的な生活ができる水準を確保する取り組みが必要だ。公契約条例は、社会的に有用な公共性が高い事業者を優先し、関係法令を遵守せず、現場労働者にダンピングのしわ寄せを押し付ける不良事業者を排除することを通じ、それを担保しようとする先導的な制度である。 明石市は、これまで公契約条例の制定については、「国や県、他都市の状況も見ながら調査・研究していく」としていたが、今回の12月議会で、①公契約条例に係るこれまでの調査・研究の状況について②価格重視の競争入札制度の推進による弊害について③公契約条例検討委員会の設置について、その考え方を質した。 市は、答弁の中で「業務費内訳書で労働者賃金が最低賃金額を下回っている場合は入札無効とする」と言うが、実効性に疑問があると訴えた。 次に、「総合評価方式で価格以外の面も評価点数化して選定する」ということだが、重要な評価項目として、労働者の雇用安定や労働条件の向上を入れることが重要だと訴えた。例えば、賃金の他に、正規社員化、無期雇用転換、社会保険の加入、同一労働同一賃金、女性の登用、障がい者雇用、高齢者雇用、育児・介護支援等、様々な社会的課題への取り組みを評価する仕組みである。外部委託の結果、従事者数は増えているがその内訳は正規がどんどん減り、最低賃金すれすれの低賃金労働者が増え続けている。  行政サービスの外部委託が、結果的に社会保険にも入れない、税金も払えない市民を増やしているとしたら大きな問題である。明石市自身がワーキングプアを生み出しているのではないか、その点をどう考えているのかを問うた。また、この間の外部委託によってその点がどう変わっているのか詳細に調査し説明をするよう求めた。 今回の質問で前向きな答弁が引き出せたとは言い難いが、市に求めた公共サービスを担う委託先の労働者の実態調査を働く者の側からも進めながら公契約条例の制定につなげていきたい。

市政を担う次世代づくり
西脇市議会議員 村井 正信
村井正信
このところの西脇市における市議会選挙の状況をみると、2013年は無投票で終わり、2017年は定数16に対して19人の立候補者があったが、4人が法定得票数に達せず、1名が欠員という事態になり、市政としては非常に危機的な状況にあるように思う。議員そのものが信頼性を失っているのか、議会の必要性が理解されていないのか、はたまた市民の無関心の表れなのか。 前2回の選挙戦を振り返り、このままでは西脇市そのものが地盤低下をしていくとの危機感を持った市民が2018年4月、「西脇市を考える会」を立ち上げることとなった。課題は、若い人たちを巻き込み、地域の政治に対する意識を喚起し、自分たちの力が認められたという実績を作り、西脇市を変える1人になることを認識してもらいたい、ということだ。 活動の第一歩として、市財政課職員を招いての「西脇市の財政状況学習会」の開催、「新市庁舎」建設予定地の浸水対策についての対応の検討、市議会での「市庁舎等建設に関する特別委員会」との意見交換会の開催などを実施している。 2019年2月には若い人を巻き込んだ実行委員会を立ち上げ、寺島渉氏を招いた講演会「共に考えませんか、西脇市の未来を」を開催し、80人の参加を得た。 また、5月には「子どもの任意予防接種の対象年齢の拡大を求める陳情」を議会に提出し、運動を若い人に広めることとした。 そして7月からは次の取り組みに向けて、若い人を中心とした実行委員会を組織するため、30歳代、40歳代の人への声掛けを行った。苦労の末、10人が集まって代表者を決め、少しずつ進み始めた結果、12月には「グループディスカッション・若い人はなぜ選挙に行かないのか」を実施することができた。実行委員会で話し合い、検討し、決めていくなかで仲間意識ができ、ひとつの核ができたことが一番良かったのではと感じている。 今後、こうした活動をさらに強めたい。

町民の声聞くニュース配り
神河町議会議員 吉岡嘉宏
吉岡嘉宏
選出馬を決断して役場を早期適職したが、議員になろうと決意したのは、縁豊かで大好きな神河町をもっと良くしたいと考えたのと、また、今の議会は、上野英一県議・山名宗悟町長路線を労組出身、非自民だと忌み嫌う人たちが多数派なので、一人でも良心派を増やすことが神河町の発展につながると考えたからだ。  神河町は山名町長の下、2015年からの地方創生事業でスキー場建設、公立神崎総合病院北館新築事業、シングルマザー移住計画や若者世帯新築・家賃補助制度の創設、乳幼児医療制度の高校生までの支援拡張などを過疎債・辺地債を活用しながら目いっぱいの事業を展開しており、県下最小人口(約1万1千人)の町ながらよく頑張っているというのが客観的な評価だと思っている。  私の後援会ニュース(「葉風」)は年4回(1回に1200部)発行し、200部を支援者と親戚で、残りを私が手配りで配布している。手配りというのが重要なポイントで、1200軒すべてに対面で手渡せるわけではないが、玄関周りに家人がいれば声掛けし、その、際に様々な要望や苦情、相談事を聞く。私の行政経験の強みを生かし、即座に担当課と交渉して課題解決に迅速に取り組める。議員になってはじめて知る地域の苦情や要望もあり、町民の中では役場は敷居が高くて物が言いにくかったんだなと思い知らされている。  議員活動として、一般質問を通しての提言や助言が重要だというのが私の信条。例えば、コミュバス(1回200円で町内全域を乗車できる)のドアツードア方式化の要望などは、年配者の中にはバス停まで足が痛くて行けないような人が多くいて何とかしてほしいという思いから出てくるのだが、そんな意見・要望など政策的なことを一般質問で町に質問・提案し、一緒に考え、解決していこうと努力している。