ひょうごミュージアム

ひょうご描き歩き『柏原藩陣屋跡(丹波市柏原町)』

2020/12/16
 柏原は、織田信長の弟信包(のぶかね)に始まる織田家柏原藩の城下町として栄え、武家屋敷や町家、細い路地、水路などの面影が残る風情のある町である。放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」の明智光秀や織田信長ゆかりの地として幟やポスターが町中に賑々しい。この「ひょうご描き歩き」連載の初期に掲載した「木の根橋」の前には織田信勝を祀った織田神社があり、歴代藩主とその一族の墓所の織田家廟所も離れてあり、毎年10月中旬には柏原藩織田まつりがあり、総勢約100名による武者行列で賑わう。
 裁判所前の道端に立つ織田信包の像の道向かいにあるのが画の「柏原藩陣屋跡」。当時の陣屋は広大な敷地に、表御殿、中御殿、奥御殿のある主屋や台所、幕末には藩校の崇広館等があったという。表御殿の一部が再建されており、国の史跡に指定されている。この陣屋の表御門に当たるのが長屋門で、陣屋創建当時のまま残っている。向かいに柏原歴史民俗資料館があり、柏原藩主織田家に伝来した歴史資料等が展示公開されている。町中には江戸中期に建てられ、時報や警報、登城の合図、藩主帰藩の知らせ等に打ち鳴らされた大太鼓のある3階建ての太鼓やぐらもある。(つづく)(嶋谷)