ひょうごミュージアム

ひょうご描き歩き『黒滝 (三木市吉川町)』

2020/09/15
 描き貯めの色紙画の中からこの時期取り上げている滝のスケッチで残っているのがこの「黒滝」だけ。黒滝は、酒米山田錦の郷にある。滝と呼ぶのに気が引けるが、山へ分け入らずとも見ることのできる平野部の滝。中国道・吉川ICを降りてすぐの西脇三田線の二瀬川バス停のすぐ近く、丘陵地を流れる美の川に懸る。滝と言えば細長く落下する姿をイメージするが、この滝は30㍍ほどの「川幅一杯にどんと2段になって4㍍ほど流れ落ちる横長の滝で、敷石のような一枚岩でできている。「ナイアガラの滝」とも呼ばれるそうだが、容だけは似ている。水量の多いときは雄滝、雌滝の2段で落ちる水飛沫が涼味たっぷりの爽快感をもたらしてくれるだろう。滝の傍の説明板には、この滝にまつわる「万八狸とお万狐」のタヌキとキツネの化かし合いの民話が記されていて面白い。
 スケッチに訪れた20年弱前にはなかったが、近くに「山田錦の郷」ができている。その敷地内には酒米の王者山田錦の栽培、歴史風土などが学べる山田錦ミュージアムがあり、日本酒試飲処では大吟醸よかわをはじめ、吉川の山田錦でつくられた銘酒が色々と試飲できる(有料)。他に日帰り温泉「吉川温泉よかたん」や地元の新鮮な野菜が手に入る農産物直売所もある。コロナ禍、のんびり田舎はいかが。(嶋谷)