新社会兵庫ナウ

行政の理不尽にたち向かう②
播磨臨海地域道路 こんな自動車道、いらない!

2026/01/21
稲美町、加古川市、高砂市、姫路市、的形町の5地域につくられている住民組織で共同行動

 「はじめに道路ありき」の産業道路建設計画が住民の疑問と反対を無視して強行されている。第2神明・明石西ICと姫路広畑を結ぶ32㎞の「播磨臨海地域道路」の建設計画だ。
 この道路計画は姫路・加古川バイパスの供用が開始された1970年代から構想があったそうで、1998年に臨海地域道路網協議会ができて計画が動き出すが、大規模開発優先の土建国家政策に対する世間の批判を受けて進展せず。2016年に第2神明.広畑間の32㎞を優先区間として手続きを進め、2020年に国交省が複数のルート帯案から「内陸・加古川ルート」を選定した後、ルートを決定し、2023年11月からルート帯の稲美町、加古川市、高砂市、姫路市で住民説明会が実施されていった。
 住民がこの計画を知ったのは、2年前の住民説明会からである。しかし、ルート帯の企業にはその以前に伺いをたて、会社の操業に支障がないルートを選定し、配慮している。蚊帳の外に置かれていた住民は計画に驚き、すぐさま「臨海道路に反対する」住民組織を立ち上げ、署名活動、広報活動、街宣活動など、この道路計画の撤回を求め反対運動が展開されていく。その輪はルート上の稲美町、加古川市、高砂市、姫路市、的形町に広がり、この5つの団体からなる連絡協議会が結成され、協同して反対運動を展開している。
 この道路が建造されることによる効果として当局は、①製造業の活性化、投資促進、②観光周遊の促進、③交通事故の削減、④災害に強いまちづくりを挙げるが、とってつけたような理由で、要は①の産業界のためであることは当局も認めるところ。播磨臨海部の企業群の物流のスピードアップをはかり、企業活動を促進させることが主たる建設理由なのである。
 しかし、臨海部の東西を結ぶ道路としてはすでに、国道2号線のバイパス道路として姫路・加古川パイパス、国道2号線、明姫幹線、旧浜国道の250号線と4本の基幹道路があり、すぐ北には山陽自動車道、さらに中国自動車道が通る。特に姫路・加古川バイパスの交通渋滞の解消になるというが、それほど慢性的に渋滞が起こっているようにはみえない。地域住民が通行料を払ってまで利用する利便性はなく、企業の流通がスムーズになるだけの代物に過ぎない。そのために建設費5900億円ともいまや1兆円とも推定される事業に税金を使うのは、費用対効果の乏しい愚策としか言いようがない。今必要なのは劣化の進む橋、道路、上下水道などのインフラ整備・改修ではないのか。
 公聴会でもルート帯の各地区住民からこの計画に反対し、見直しを求める声が噴出した。稲美町ではため池を削り幼稚園を通り、静かな田園の住居環境を破壊する。加古川地区では、新幹線及び高圧鉄塔の上をまたぐため30mほどの高さに。神社の傍を通り住宅地が立ち退きに。高砂に入ると、PCBの盛り立て地があるためその漏洩の危険を避けて、中学校の真ん中を通り、隣接する住宅街、その先の松並木の都市公園や県住を横切る。的形町では、絶滅危惧種を含む生物が棲む里山にトンネルを穿ち、山を切り崩す。広畑地域では工場の煤煙から住民を保護するための緑地帯が潰される。
 国土交通省道路局は『構想段階における道路計画策定プロセスガイドライン』として透明性、客観性、合理性、公正性の4つを要件とするがどれ一つ守れていない。
 これまでの反対署名は高砂市長宛に2回で8790筆、斎藤知事宛で1万8756筆提出され今も増え続けている。市とも県とも面会して計画の撤回を求めているが、聞き入れる耳を持たない。
 企業のために地域を破壊し住民に犠牲を強いるずさんで住民無視の道路計画は一刻も早く撤回されるべきだ。こんな自動車道は要らない。
(嶋谷)