新社会兵庫ナウ

寄稿
眼をこすっている場合じゃない 高市政権としっかり対峙を
憲法生かす会・灘代表世話人 今村 稔

2026/01/21
下手な二人羽織
 これからの1年。政治情勢は対抗勢力のふらつきもあり、高市首相にずいぶん振り回されそうであるが、腰をすえて、しっかり考えてがんばらなければならないであろう。
 首相就任以来3か月足らずであるが、彼女のこんな人となりに引っかかってはならな いというところも露わになっている。
 首相は平然と.をいう。国民の信頼を慮ってこそ政治家であるという矜持を持ち合わせていないのだろうか。台湾有事に絡んでわが国の軍事関与(存立危機事態)はありうると「口を滑らし」てしまった。誰もが見るところ、「うっかり」というよりも「待ってました」とばかり、もっと言うならば既成事実をつくろうと狙ってのうえであることは明々白々である。
 そもそも存立危機事態、つまり軍事関与の可能性へと一歩踏み込んだこと(挑発したこと)によって問題は発生したのである。にもかかわらず問題が面倒になると、従来とは変わらないと白をきる。これでは政治の信頼を自ら崩していくに等しいではないか。自ら政治の信頼に泥を塗るに等しいではないか。
 さらに問題は重なる。安全保障問題で首相が最も頼りにしているといわれる官邸幹部が「日本は核武装を考えるべきだ」とオフレコの発言をした。オフレコと断ったとはいえ、直ちに官邸を追われるなり、処分されるべき問題である。ところが追放も、処分もないどころか、氏名さえ厳秘にして守られている。
 そもそも政治の世界ではオフレコというのは、多くの場合、言葉と違って最終目的までを慎重に道馴らしするに等しい。高市首相もそのつもりかもしれない。胸の内は合っていると納得しているかもしれない。寄席芸に「二人羽織」というのがある。1枚の羽織に二人が入り込んで、一人のように芸を演ずる。首相が官邸幹部を追放も処分もしないのは、二人羽織のつもりかもしれない。
われわれこそ大道を!
 安保三文書の改定、大軍拡をはじめとする軍事大国に、国家主義推進満載のトラックを出発させようとしていた正月早々、海の向こうから150年も前の帝国主義のお化けかと思われるものが、トランプによって届けられた。国際政治についての理性を持ち合わせているとは思われない高市首相はうっかり「コングラチュレーション」と口走ろうとしたかもしれないが、さすがに「ベネズエラの民主主義を期待する」とごまかした。トランプと軍艦上ではしゃいでいた首相、米中会談の前に自分にも箔をつけさせてくれと直前会談を望んでいた首相であってみれば戸惑いは大変であったであろうが、国際世論がどう動こうと最後は後を追うしかないであろう。
 国内政治では連立政権を自公車から部品にも性能にも難があると危ぶまれている自維車に乗り換えた高市政権であるが、歴史的に見れば、道を踏み誤り、突き崩すことは必至である。加えてトランプの大荒れである。
 われわれは、のんきに眼をこすっている場合ではない。大きな棍棒で背中を叩かれた気になって、背骨を正し、眼をぱっちりと見開き、前進の姿勢をとらねばならない。
 まず、われわれのたたかいの原点となった護憲・平和の柱を磨き直そう。そこにこそわれわれの力の源泉がある。
 抑止力などとネガティブなヴェールのかかった平和ではなく、大衆の力、国民の力を掘り起こし、大きくする平和でなければならない。新しい社会をつくりだす力と綯い合った平和でなければならない。軍拡反対の出発点を持たない護憲平和はない。護憲の足固めをもっと強く。大軍拡反対の声をもっと大きく。