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郵便労働者の「安全対策」とは

2026/01/21
 郵便労働者のアルコールチェックの「点呼」は、私の記憶では民営化がスタートする前後から安全対策(?)の一環として取り組まれたように思う。当初はマニュアルどおりに、当局の朝礼(当時は全員整列させて業務報告、自・他局の事故報告、営業活動など)で、あまり意味のない時間が長々と続く。続いて各班でも同じ話。「安全唱和」の強制では、各人が声を出して唱和しているかどうか、総務課の職員を使って確認させていた。その後にアルコール検査で、出発前には安全運転の指導があり、ジクザク走行や細い一本道の走行、一旦停止などをやらされる。結果として配達時間が少なくなり休憩・休息が取れない状況が日常茶飯事になった。
 郵政の「安全対策」は、人員増や制度の見直しなどの「物的対策」ではなく、意識改革など「精神論」ばかり。「気を付けて配達に行ってください」の声掛けが最大の安全対策だった。今般の件でも日本郵便は、点呼不備の原因として「意識の欠如」や「チェック体制の甘さ」を挙げ、再発防止策として社員研修やガバナンスの強化、デジタル点呼システムの導入を進めている。このように当局は「安全より業務第一」なのは昔から一貫して変わっていない。労働者支配のための「安全対策」は必要ない。
 当時は、それでも班や分会で話し合い、要求をまとめ、当局と対峙してきた。要求はなかなか通らないが、当局施策の矛盾を追及してきた。
 現在は当時とは違う職場環境なのでなおのこと難しいだろうが、諦めず、粘り強く隣の仲間に声掛けをして、一人でも私たちの考えを理解してもらえる仲間を増やすことだ。それ以外に職場を改善していくことはできないと思う。
 「安全第一」ならまず何よりも「安全対策」としての人員補充と制度(夜間配達など)の廃止、見直しをするべきだ。必要ならば朝礼もアルコール検査から始めるべきだ。会社はアルコール検査について、「飲酒運転防止だけでなく、企業の社会的責任や経営リスクの観点からも非常に重要です。不適切なチェック体制は、事故発生時の損害賠償や社会的信用の失墜につながる可能性があります」と述べている。このように会社にとっては労働者の「命や健康」は二の次なのだ。
岡田一雄(但馬ユニオ ン書記長)