新社会兵庫ナウ

私の主張
来年は憲法公布80年の年
高市政権にしっかり対峙を

2025/12/24
右寄りの風が際立った
 いよいよ年の瀬である。昨年の今頃、われわれはどんな景色を眺めていただろうか。10月に行われた総選挙で、自公政権は過半数を失う敗北を喫し、政治の風向きに変化を感じ る人も多かった。
 また、日本被団協がノーベル平和賞を受賞し、人類の悲願と言われてきた原水爆禁止運動の先行きに光を感じ取る喜びを見出す人も少なくなかった。
 海外の出来事としては、トランプの2度目の大統領就任である。
 それから1年。米の高値を代表のようにして打ち続いた物価高騰をバックにして、夏の参議院選挙における自公陣営の敗退、晩秋の自民・維新連立政権の出現という経過であった。
高市凧(たこ)に吹いた風
 参院選で敗北した石破首相をそのまま続けさせようという自民党周辺の空気があったにもかかわらず、最後に高市を総裁に持ち上げたものは、自民党のより下部にたまっていた風であったろう。今までの歴史の中でも、支持に動揺があらわれた時、喝を入れようとして、そうした力が働いたことはあった。それはいつも右寄りだった。その流れを示すかのように、公明党が連立を離脱し、維新が駆け寄った。
  スタートからまだ2か月ほどであるが、高市首相は、党首討論を見ても、国会答弁を聞いても、相手を抱擁したり、感動させたり、譲歩したり、妥協したりすることが不得意な(出来ない)政治家と思われる。女性だから「俺が、俺が」とは言わないだろうが、前のめりになる。言葉を変えれば、屈服させることしかできないタイプである。このタイプが成功するためには、柔軟な参謀が傍にいるか、自ら強い部隊を掌握しているかが必須であるが、おそらくそれを欠いているのだろう。予言したくなるほどである。
  自らをサッチャーに擬しているらしいが、自身の脚も足元もしっかりしていない。
奇妙な力関係
 われわれはケンカ腰、あるいは挑発的という言葉を冠するが、高市首相の言葉遣いにはそれを感ずる。それに持ち出す政策、安保3文書の書き直し、軍事費GDP比2%の前倒し、武器輸出の緩和、非核三原則の廃止、スパイ防止法、国旗損壊罪の企て……、国家をもって国民を締め上げようとする代物が大型車満載である。他国から見ればまごうかたなき軍国主義政策であり、今にも引き金を引かんばかりである。
 しかし、穴も見える。陣営内部は緊張して一致しているのか、参院選敗北の穴はないのか。もちろん、われわれは高市たちの勇み足を軽く見てはならないし、油断があってはならない。
 しかし、それ以上の問題は、われわれの緊張感が、まだ十分とは言えないことだ。果たして相手陣営の緊張感をわれわれが上回っているかどうかということである。
 選挙に敗れ、過半数を危うくしているにもかかわらず、しかもなお多くの穴を残しながらも突っ込んでこようとする敵陣営の意気込みに対し、われわれは対峙できているか。
 敵陣営が山積みにして攻めてこようとしている反動政策の大半は、安保関連のものである。
 われわれは、いま敵が安保関連政策をまるで聖域のようにしていないか、もし聖域のような感覚に引きずり込まれているとすれば、重大な劣化である。われわれのたたかう力をいつの間にか錆びつかせることにならないか。
 来年2026年は、日本国憲法公布80年の年である。
 高市が持ち出してくる反動法案を真正面から取り上げ対決しよう。それなしにはわれわれの闘争エネルギーを磨き鍛えることはできない。
今村稔(憲法を生かす会・灘 代表委員)