新社会兵庫ナウ

私の主張
台湾有事は中国の内政問題
日本の不戦の国会決議を

2025/12/10
時代錯誤で矛盾が多い高市政策
 高市政権の政策は、戦略と問題の軽重によるプライオリティ(優先順位)がない。発言と実行が八方美人的だから筋が通らず、矛盾と粗さが目立つ。たとえば少子高齢化を無視して、17・7兆円を超える大型補正予算や、21・3兆円の経済対策を決めた。自民党の河野太郎は「コロナの前は補正予算が10兆円を超えたのは、アジアの通貨危機、リーマンショック、東日本大震災などの時だけ」と指摘し、タガが外れたのか、為替や金利など市場の声に耳を傾けるべきだと、Xを更新して批判した。まさにその通りで、10月20日の東京外国為替市場は、高市政権の経済政策を懸念して円が下落し、157円台の円安になった。
 円安は輸出関連企業の利益に貢献し、株価は高騰する。日本で最高の円高は2011年10月の1ドル75円台で、直近は1ドル175円台だから同じ原価と仮定すると、企業の利益は2倍以上になる。だが食物やエネルギーは2倍以上高価で輸入される。しかも自給率は食料が2023年度はカロリーベースで38%、エネルギーが15・1%だから、円安で生活費が高騰して庶民の生活は苦しくなる。高市総理は「台湾の有事(戦争)が日本の存立危機事態になりうる」と国会で述べたが、台湾海域が戦争になって日本の輸入が止まれば、日本国民は干乾しになる。したがって高市円安参戦総理の国家戦略は、短絡的で認められない。
大義がないトランプ氏のディールに寄り添う危険な高市総理
 
トランプ氏は当初のウクライナ和平案の28項目を、ウクライナと米国内の抵抗もあって19項目に修正した。また、ニューヨーク市長選挙では、真っ向からトランプ氏の政策に反対したゾーラン・マムダニ候補を共産主義者と罵って、彼が当選すればニューヨーク市への補助金を停止すると恐喝した。だが、マムダニ氏など3人の民主党候補が地方選挙で圧勝すると、トランプ氏はマムダニ市長との協調を表明した。トランプ氏には大義や戦略がなく、ディール(取引)だけがある。台湾有事は「存立危機事態になりうる」と高市総理が国会で答弁したので、中国は日本が台湾有事には参戦すると認識した。日本政府が存立危機事態を、自衛隊が武力行使可能な事態と定義しているからである。そこで考えられるのは、米軍の基地がある日本は、ミサイルの核弾頭攻撃を受ける可能性が生まれたことだ。だが、大義のないディール(取引)のトランプ氏は豹変するので、先走って忖度する高市総理が梯子を外される危険がある。
国会で台湾有事における日本の不戦決議を
 1972年の日中国交回復時における共同声明は、「中華人民共和国政府が、台湾は中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本政府はこの中華人民共和国政府の立場を十分に尊重し、ポツダム宣言第8条に基づく立場を堅持する」ことで合意した。中国政府が「台湾問題は中国の内政問題」と主張する根拠はここにある。しかも日台は貿易で往来しているが、日台間の国交は断絶している。この現状を踏まえて日台問題を考察すると、台湾有事は中国の内政問題であり、日本の有事ではない。しかし、国会での誤った高市総理の発言は、日本が台湾有事で参戦する危険を中国に認識させた。 だが米中首脳会談でトランプ氏は、台湾有事に関する高市発言に触れていない。アメリカファースト丸だしで、日本は、台湾が日米安保条約の適用地域であるにもかかわらず、アメリカの助けを借りられない。しかし、核弾頭と長距離ミサイルを持つ中国を相手に、日本は台湾有事だと参戦できない。現代戦は大量破壊と大量殺戮をもたらすからである。
 だが、一寸先が見えない高市総理では解決できないので、日本は台湾有事に参戦しないという国会決議をするように国民運動を組織すべきである。同時に、中国は内政問題だが武力行使でなく、民主的平和的に解決するように世界の世論を盛り上げる外交努力をすべきである。
柳田勘次(憲法を生かす須磨区の会世話人)