新社会兵庫ナウ

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人権無視の外国人労働

2025/11/26
 昨年12月に外国人労働者から相談を受けた。1年が経過しようとしているが、その後連絡がなく、何もできていない。
 東南アジアから来日した女性で、就労ビザは「技術・人文知識・国際業務」だった。母国では民間企業の「調査活動」=デスクワークだと聞かされていたが、来日すると業務は全く違っていて、社長宅の家政婦だった。週6日、1日12時間以上働かされ、休憩時間もなく昼食も取れない。週1日の休みは、社長の両親宅に掃除に行かされることがあり、休みなく働かされていた。残業手当の支払いもなく、家賃や光熱費を除き10万円支給されていた。そのうちの半分以上を母国に仕送りしているため、ろくにご飯が食べられない生活を送っていたという。
 夏に来日したため、冬服がない。暖房器具はエアコンしかなく、夏用の布団しかない。日本語を話すことができず、お金もなく、買いに行けない。
 相談に来るきっかけは、月10万円しか支払われていない賃金をさらに減らすと通告されたこと。就労ビザの更新に毎月2万円が必要になるからと説明されたらしい。
 まさに人権問題だ。仕事を偽って来日させ、長時間働かせ、体調不良でも休むことを認めなかったと聞いた。
 相談者は「母国に帰りたくない」「働いて仕送りしたい」と言って、就労ビザを継続することになったが、そのビザに該当する仕事を探さなければならず、転職は簡単ではない。行動を起こせば、違法な就労のため帰国させられる可能性がある。
 毛布や衣類などは支援団体が用意してくれた。私は話を聞いただけで、何の役にも立てず、悔しさだけが残った。寒くなるいま、相談者がどうしているのか気になる。
 外国人排斥の風潮が一部に広がるが、人権に国境はない。違法な状態で働かされている外国人は少なくない。外国人排斥の世論を煽るのではなく、すべての人が気持ちよく働ける社会にすることが政治の役割だと思う。
木村文貴子(神戸ワーカーズユニオン書記長)