ひょうごミュージアム

ひょうご碑物語『桂米朝名誉市民記念碑(姫路市名古山町)』

2020/08/12
桂米朝は人間国宝であり、姫路市の名誉市民である。亡くなってちょうど1年後の2016年3月に名古山霊苑の一角に桂米朝を顕彰する墓碑が建立された。
 墓と碑は、厳密に言うと違うものらしい。元姫路市長の石見元秀と吉田豊信の墓の並びに建立され、納骨もされているというから、お墓には間違いないが、どう見てもお墓のようには見えない。墓石は、上から見ると「米」の形に配置され、前方の斜めの石は、腰かけても良いという。「名誉市民記念碑」と紹介されることも多い。
 米朝と言えば、「地獄八景亡者戯」(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)である。地獄の目抜き通りにかかる芝居小屋に「米朝」の名があがっている。よく見ると「近日来演」と書いていた、と自分自身をネタに使っていたが、米朝が鬼籍に入った翌日、米團治が「本日来演」と変えて演じたエピソードがある。
今年は、「米朝五年祭」だが、予定していた月命日の3月にはコロナ禍で小屋の火が消えた。米團治は、「やっぱり米朝の助けがいる」と、今月(8月)には「五年祭」を行う。どうかお笑いでコロナ禍を吹き飛ばしてくれますように。(敬称略)
(森山)
【メモ】JR姫路駅から神姫バス今宿循環線で「車崎」下車。徒歩15分。