新社会兵庫ナウ

私の主張
許すな!高市自・維政権の改憲・戦争国家体制づくり

2025/11/12
 石破(前)首相の辞任表明以降、長い政治空白を経て高石早苗政権が10月21日に誕生した。高市氏が自民党新総裁に就任後、公明党が連立離脱を表明。その混乱のなかでの連立の枠組みづくりを経て、自民党と維新の会が連立に合意し、極めて右翼的な思想を政治信条とする高市早苗氏を首相とした自・維連立政権の登場だ。その「超保守・極右」の政権が、危険な政治路線をすでに歩みだしている。
 「安倍政治」の継承者を自任する高市早苗政権の本質を端的に表しているのが、12項目にわたる自・維の連立合意内容である。その問題点については、すでに各所で指摘されているのでここでは触れないが、ズバリ、「明文改憲と大軍拡・戦争国家体制づくり」の推進を最大のねらいとする内閣だ、と言って間違いはなかろう。戦後民主主義を破壊しながらの「安倍政治への回帰」の大転換とも言える。今となってはそれなりにブレーキ役を果たしていたのかもしれない公明党に代わり、今度は維新の会をアクセル役にしての暴走となるのか。
 だが、こうしてきわめて危険な性格を持った内閣の誕生でありながら、国民にはどう映っているのか。ここに私たちは今日の政治の大きな問題点の一つを感じざるをえない。
 新たな内閣の誕生には「ご祝儀相場」がつきものだが、高市政権は各社の世論調査で60.70%の高い支持率で共通している。しかも、若い年代ほど支持率が高いのが特徴だ。ちなみに朝日新聞の調査(10月25日、26日実施)によると、不支持率が19%に対し、支持率は68%。50代以下で70%以上で、30代では86%にまで達する。高市首相の保守的な政治姿勢についても「評価する」は57%で、「評価しない」の25%を上回る。ただ70歳以上では「評価する」は40%なのが興味深い。
 政権の政治的思潮の問題を超えて、今の物価高や将来不安の解消を最優先に求めたいという国民の切迫感が新政権への期待感となっているのだろう。現役世代には、現在の生活の深刻さが、将来への不安も含めて、若い年代ほど重く覆っていると受け止める。
 こうした有権者の動向のなかで、私たちはどのようにこの高市右翼政権の政治に立ち向かい、また、この有権者の政治的動向に向き合い、右傾化や右翼ポピュリズムへの傾斜を阻んでいくのか。戦争国家への道を阻んでいくのか。これからの私たちの大きな課題として問われていく。そのことを考え、たとえ小さな努力であっても私たち自身にできること、しなければならないことを明確に定め、その実行に励みたい。
 そのため、改めて私たちの現在地を見つめてみよう。政権も国民生活のことを考えれば、まずは物価高対策などを優先的に取り組んでいくことだろう。野党もこの問題では自らの政策の実現のために、対決よりは協議というスタンスで対応していくことだろう。私たちも当然、その点での前進を願うものである。
 だが、与野党の攻防の視野を経済面ばかりに置いていると、安保・防衛問題をめぐってこの政権で準備されている歴史的な転換から目を曇らされる。国の成り立ちにかかわる問題での対立軸が、国民の関心事の外に置かれ、隠され、結果的にはそれらを容認していってしまうという事態を生みだしかねない。
 自・維連立政権に対決できるのは、立憲民主党が構想するような中道結集だろうか。その中道結集を、高市政権の「改憲・戦争国家体制づくり」を阻む力だと期待できるだろうか。この間の動きを見ても、立憲民主党は、国民民主党にも揺さぶられて安保問題や原発問題での揺らぎを見せて危うさがある。
 残念ながら、10年前の安保法制をめぐる闘争時のような野党共闘、市民と野党の共闘の姿は、今はない。だが、戦争準備への道で必ず立ち現れてくる民主主義の抑圧・破壊に対してこれは欠かせない。ここで必要な力は、政権側に引き寄せられない護憲の結集とその拡大である。いわゆる左派・リベラル派の力の拡大である。そして、それは国会内だけのことではない。その力を大きくしようとすれば、なおのこと院外での大衆闘争の力を大きくすることが求められる。そのなかで新社会党の果たすべき役割も明確になるであろう。
 今、私たちにできることは、地域での運動づくりとその中での仲間づくりだ。改憲への動きや民主主義の破壊に対抗し、ますは敵のねらいを徹底的に暴き、行動を呼びかける日々の宣伝行動や学習活動はその一歩である。しかし、そこにとどまることなく、さらに憲法をほんとうに暮らしに生かす運動を私たちは考えていく必要がある。職場や地域での人間らしさを求める要求づくりとそれを実現するための大衆的な運動こそが民主主義の実践の体現だ。ささやかでもそんな積み上げと塊が、より大きな共闘の一つのしっかりとしたピースへとつながっていく。
上野恵司(新社会党兵庫県本部副委員長)