新社会兵庫ナウ

おんなの目(2025年11月12日号号) 
多文化からの寛容さ

2025/11/12
 マレーシアに来てもう1年半になろうとしています。マレーシアの気温は1年中25.30度で風もあり、雨季のシーズンはクーラーもいりません。人種は大きく分けてマレー、インド系マレー、中国系マレー人に分かれていて、その他にも日本、韓国、中国、ヨーロピアンなど他民族が暮らす国です。公用語はマレー語ですが、長い間イギリスの植民地だったこともあり、東南アジアでは珍しくほとんどの人が英語を話せます。様々な人々が暮らすこのマレーシアは、島国である日本で育ってきた私にとって驚くことや、学ぶべきことが沢山ある場所です。沢山伝えたいことがあるのですが、今回は多文化によって作られている寛容さについて話したいと思います。
 マレーシアで暮らす人々は生まれた時から多様な文化・価値観の中で暮らしているため、とても寛容です。たとえば、隣にヒンドゥー教の方が住んでいるというイスラム教徒の友達は「彼らがお祈りするときに使うお香の匂いが強烈でドアを閉めても臭いの」という。でも彼らは「でも私たちはお互いの文化や宗教を尊重し合っているから我慢するわ。お互いさまだもの」と笑いながら言うのです。日本ではベランダのタバコの匂いさえ問題になるのに、と日本を思い出しながら聞いていました。
 子どもの学校も中華系、マレー系、インド系、インターナショナル、イスラム教を学ぶ学校などと幅広い選択肢があります。中国人だからと言って中国の学校というわけではなく、彼らは自由に選択し、また学校を変えることも日常茶飯事です。当然、学ぶことも違うし、休みさえも違います。ヒンドゥー教の子どもたちは豚肉も食べないし、それぞれお祈りの時間もあります。日本では公立、私立(インターも少しありますが)、基本的に同じ教育を受けます。近年、少しずつ柔軟になりつつある日本の学校教育ですが、それでもルールからはみ出すことを許されず、マイノリティが〝ダメ.だという習慣がまだまだ残っています。
 マレーシアにいると、(一般的に)ヨーロピアンは主張が強い、マレーシアンは謝らない、中国人は距離が近い、など様々な民族性の違いはあるのですが、どれも〝それが彼ら.だと割り切れるのです。うちのマンションは毎朝5時.7時の間に必ず1回、車のクラクションが10秒ほどなります。でもそれも、今では「今日もマジでうるさいね」と笑えちゃいます。他にも夜の11時過ぎに花火がマンションの10階くらいの場所で上がったり、携帯見ながらの接客なんて日常茶飯事です(笑)。
 互いを尊重し合うことは決して難しいことではないのですが、ずっと同じ場所にいると無意識に同調してしまいがちになるので、自分とは違う人々、世代、人種とかかわりを持つことが、自分の〝寛容さ.のためには必要なんだと、ここへ来て実感している毎日です。
(眞野 多恵子)