新社会兵庫ナウ

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派遣、請負など直接雇用でない労働者問題

2025/10/22
 ヤマトの配送センターに株式会社チャージから派遣されていた労働者の問題は、チャージの不誠実な対応によって、争議に発展せざるを得なくなっている。
 ことの発端は、ヤマト社員の無知が原因だ。「手甲ガード」という安全具の装着をめぐって、派遣労働者がソフトタイプのものを装着していたことで、ヤマトの社員から「出禁」(解雇)を通告された。ご存じの通り、「派遣」という働き方は、派遣先には労働者を選定する権利はない。派遣元が派遣先の業務に対して、「適している」と判断して派遣するのであって、派遣先が「この人はいい、この人はアカン」ということはできない。それがしたければ、パートやアルバイトなど直接雇用をすればよいのだ。
 現に、今回「出禁」を通告された派遣労働者はすでに1年半以上そこで働いており、問題の安全具を装着したのは、この日だけではない。
 また、このソフトタイプは、ヤマトが社員に「推奨」しているものでもある。
 ヤマトに対して「出禁」問題の事実確認を行ったところ、ヤマトからは「社員が行った行為は誤りであり、指導した」「当社に『出禁』を通告された派遣労働者があらためて派遣されることに何の問題もない」との回答がされている。当然のことである。
 こうしたことから、早期解決ができるのではないかと期待していたが、今度は派遣元が勝手に契約を解除し、仕事の紹介もせず、兵糧攻めをしてきたのだ。チャージは、「誰をヤマトに派遣するかは、派遣元に権利がある」とうそぶき、交渉は決裂した。
 ユニオンとして、チャージに対して解雇(登録抹消)による損害補償とヤマトへの再派遣を求めて闘うことを決定した。
 派遣や請負、ギグワークなど、直接雇用でない働き方が広がる中で、こうした労働者に勇気を与える闘いにしたい。
塚原久雄(武庫川ユニオン書記長)