ひょうごミュージアム

ひょうご碑物語92
灘の酒造専用水道の碑(神戸市東灘区西岡本)

2025/10/22
「宮水」に象徴される良質の水が確保できる灘五郷ならではの酒造専用水道の完成を記念した碑

 酒のおいしい季節を迎え、灘五郷界隈は酒蔵めぐりを楽しむ老若男女で賑わっている。
 室町時代に始まったとされる酒造りだが、灘における酒造りの勃興期は享保年間(1736年)までの約60年間とされる。
 この時期から、酒米の産地が近かったことや「宮水」に象徴される良質の水が確保できたこと。さらに、住吉川に代表される水車を利用した精米技術の発展など、好条件がそろっていたこともあって酒造りが盛んになり、神戸市灘区から西宮にかけての西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷の、いわゆる灘五郷が形成された。さらに、灘は船積みの便に恵まれていたうえに、西宮に樽廻船問屋ができて、江戸や全国各地への発着点になり、輸送体制が着実に強化されたことも発展の大きな要因となった。ちなみに、江戸後期には、江戸の酒需要の8割を供給していた記録も残っている。
 この記念碑は、酒造専用水道(毎日6千.を供給)の完成を記念したもので、住吉川東側の神戸市水道局低層配水場の敷地内にある。
(鍋島)
【メモ】JR住吉駅から北東へ10分。本山親子遊園の北側。1973年の建立。