ひょうごミュージアム

ひょうご描き歩き
『姫路市立美術館 (姫路市)』

2020/02/11
 国宝姫路城の東の堀の外側に赤いレンガ造りの魅力的な姫路市立美術館がある。1905年に陸軍の兵器工廠倉庫として建造され、戦後は姫路市役所として35年間使われていたが、市役所が現在の姫路駅南に移転後、改修されて美術館に生まれ変わり現在に至っている。L字型に建つ美術館の広い芝生の前庭には玄関正面にブールデルの「モントーバンの戦士」をはじめ「うずくまる浴女」や国内の作家などの13体の彫刻が処々に設置され、市民の憩いの場所にもなっている。
 館内に入ると左側に常設展示室がある。ここの中心は、地元の医師國富氏が収集したコロー、クールベ、モネ、ピサロからマティスまでの印象派などの近代フランス絵画で、氏から寄贈された50点のうち30点が常時公開されている。また小磯良平、藤島武二、橋本関雪など日本人の作品も多い。右手に進むとコレクションギャラリーがある。姫路市がベルギーの都市と姉妹都市関係にあることに因みマグリットなどベルギーの美術作品約350点を所蔵していて、それを展示替えしながら随時紹介している。美術図書や雑誌を閲覧できるアートライブラリーもある。さらに奥は最も広いスペースの企画展会室。今は改修のため4月下旬まで休館中。ここの北隣、城の背後には県立博物館、南に動物園が並ぶ。
(嶋谷)