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2025教育セミナー
今の学校の息苦しさを考える
住友剛さん(京都精華大学教授)が講演

2025/09/07
「今の学校の息苦しさを変えるために」とのテーマで住友剛さんが講演した教育セミナー=9月7日、神戸市

 兵庫教育労働運動研究会が主催し、アイ女性会議ひょうごが協力した「2025教育セミナー」が9月7日、神戸市内で開かれた。講師は京都精華大学教授の住友剛さんで、「今の学校の息苦しさを変えるために.子どもたちの『しんどさ』に向き合って.」というテーマでの講演だった。
 いま、小・中学校の不登校が34万6千人、高校も含めると41万人を超える。教員の精神疾患による病気休職者は7千人を超え、どちらも過去最高である。その大きな原因に、子どもや教員が日々感じる今の学校の「息苦しさ」があるのではないかと考えられる。
 住友さんはまさにそのことを指摘。子どもや若者には、大人から相対的に自立した時空間や仲間関係が必要ではないかと投げかける。いじめや不登校への対応として、問題行動の早期発見のために子どもへの監視を強めていることが「息苦しさ」を生み、それから逃れようとするものが増えているのではと述べた。
 また、今の学校を「量産型モビルスーツの製造工場」と例え、規格化された労働力の育成を効率よく進める場所になっているのではという指摘もあった。子どもの学びや教員の教育実践は、工業製品のように管理できるものでなく、全国学力テストの点数競争は大きな弊害を生んでいるとし、規定の枠からはみ出ることの重要性が提起された。
 講演の後の質疑応答では、参加者から質問や意見が途切れることなく続き、講演の1時間を上回る熱心な意見交換の時間が持たれた。
(渡辺)