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戦後80年 神戸大空襲を忘れない
次世代に記憶をつなぐ取り組み
神戸空襲を記録する会

2025/08/10
神戸大空襲を忘れず次世代につなぎ戦争と平和を考えるための新しいプロジェクトの取り組みなども報告された集会=8月10日、神戸市兵庫区

 終戦・神戸大空襲から80年という節目の年を迎え、神戸空襲を記録する会( 岡村隆弘代表) は「神戸大空襲を忘れない戦後80年、明日へつなぐ記憶」と題する集会を8月10日、神戸市兵庫区の兵庫津ミュージアムで開き、ビデオ上映や講演を行った。
 集会の冒頭、岡村代表は「大空襲から80年、テーマは何よりも記憶を次世代にどうつなぐかだ。この80年、戦争体験者が二度と戦争をさせないという強い思いを持って平和を守ってくれた。80年を機にさらに強い思いを持って平和を守っていかないといけない」とあいさつ。
 続いて西村豪さん(尼崎市立歴史博物館・あまがさきアーカイブス)と馬場敦子さん(記録する会世話人)の2人によって、①USSBS(米国戦略爆撃調査団)による報告ビデオの中の神戸関係から神戸空襲の映像を読み解く解説と、②写真で特定の地点を「過去( 空襲前)・空襲( 直後)・現在」の3つの視点から見比べて戦争を考えるという、「次世代につなぐ写真プロジェクト」の新たな取り組みを進めているという報告が行われた。
 さらに講演会では、大戦中の米軍の作戦記録などの研究をもとに工藤洋三さん(空襲・戦災を記録する会事務局長) が「アメリカが記録した神戸空襲」と題した講演を行った。講演では、工藤さんは米軍は空襲前のかなり早い時期から空襲目標となる都市を分類しデータなどを収集していたことを解説。都市に制御不能な大火災を発生させるための焼夷弾空襲を計画し、火災保険の等級から燃えやすい地域の選定とランク付け、爆撃中心点(照準点)の設定、空襲に必要な焼夷弾量の計算をはじめ、綿密な計画を立てていたことや、実際には計画の6倍の量の焼夷弾が使われたことなども詳細に明らかにされた。